水上勉氏の自伝といわれる「フライパンの歌」（1948年出版）からテレビドラマ化したもの。フライパン一つきりという間借り生活の中で、乳飲み子とともに妻に置き去りを食ったある作家の苦い思い出を綴る。流行作家・安田保吉（伊藤雄之助）は、新聞、雑誌社の締め切りに追われる身分であるが、終戦直後、教員をやめて福井の山の分教場から妻と赤ん坊のユキエをつれて上京したころは、フライパン一つしかない間借りの生活が続いた。トウモロコシのパンばかりのせいか妻の民江（伊藤幸子）は赤ん坊にやる乳も出ないのだ。【以上、読売新聞1963/11/04付より引用】【役名（演技者）】安田保吉（伊藤雄之助）、民江（伊藤幸子）、ユキエ（北林早苗）、中田光英（中村俊一）、寺田絹枝（富永美沙子）。