遺言をめぐる骨肉の争い。1960年。大阪船場の木綿問屋・矢島商店の当主嘉蔵（江原真二郎）が病没し、三人の娘に遺産が相続されることになった。が、女系家族に育った三人は、闘争心が強く、遺産の取り分に神経をとがらせる。出戻りの長女・藤代（岡江久美子）は、暖簾を継ぐ次女・千寿（渡辺典子）を出し抜こうとし、三女・雛子（立花理佐）も遺産の値踏みに余念がない。そんな折り、嘉蔵の妾・文乃（名取裕子）が現れる。これは見て損しない一本。大阪の旧家のおどろおどろしい内部紛争を描くという点が多少古めかしいが、ラストの死者からの復讐が目を引く。【校正協力：のよりん】