さびれた食堂に飛び込んだ清（芦屋雁之助）。その店のおばあさんに、行方不明の息子と間違えられる。「静岡県の本川根町へやって来た放浪の天才画家・山下清（芦屋雁之助）は、運送会社の運転手で山上清という同じ名前の男性（前田吟）と知り合う。空腹のため駅前にあった山上食堂という店を訪れた清だったが、奥の間で病床にあった老婆・とよ（菅井きん）から彼女の息子だと勘違いされてしまう。そこへやって来た巡回保健婦の美沙（浅田美代子）や、学校から帰って来た孫娘の千代（伊藤美奈子）によって人違いだと証明されるが、清は逃げ出してしまう。清は置き忘れた荷物を届けてくれた美沙から、とよが少しボケていることを聞かされる。とよを元気にしようと考えた美沙の知恵で、清はとよの息子に成り済ますことになる。千代は中学校へ行かずに歯科医院でアルバイトをして、夜間高校へ進学しようと考えていた。清は山上食堂を手伝い、列車の中や駅前で弁当を売るが、先般の運転手・山上清もその客だった。美沙から山上家の事情を聞いた清は、美沙の差し出した写真に写る彼女の幼なじみだという山上清に気付いて驚く。清と美沙は駅前で弁当を売りながら山上清が現われるのを待つ。やって来た山上清は美沙を見て逃げ出すが、軽トラックが隣町にある丸一運送のものだと知った美沙は丸一運送で山上清の帰りを待つ。美沙から千代の進学の悩みを聞かされた山上清は、一旗揚げないうちには帰れないと言うが、ついには山上食堂へ戻って来てとよや千代たちと一緒に暮らすことになる。千代の担任教師（中丸新将）が清の描いた花火の絵に気付いて、山上食堂へやって来るが、清はすでにこっそり旅立った後だった…。【この項、文：市村】」車輛：ランナーズ。ロケーション協力：静岡県・本川根町、本川根町観光協会、大井川鉄道、ほんかわね清水館。【演技者…役名】「●芦屋雁之助…山下清（放浪の天才画家）、●浅田美代子…山吹美沙（巡回保健婦。山上清の幼なじみ）、●伊藤美奈子…山上千代（山上とよの孫娘。中学生）、●芦屋小雁…千頭駅の駅前で弁当を売る「青空べんとう」の主人、●中丸新将…山上千代の中学校の担任（本川根町立青部中学校の教師）、●安部潮…列車の車掌、●三ツ矢真之…稲垣（本川根町立青部中学校の美術教師）、●田代良…弁当を買う客？、●穂積隆信…千頭駅の駅長、●前田吟…山上清（丸一運送の従業員。山上とよの息子）、●菅井きん…山上とよ（山上清の母親。駅前にある山上食堂の女将だったが、駅に列車が停まらなくなったので店は寂れてしまった）。【この項、文：市村】」【データ協力：市村】