バーで働く涼子の子供で７歳になるケンが、ある日突然いなくなった。行方不明の息子を捜している涼子は、高所恐怖症のとび職のオジさんと出会う。そしてケンの居所を知っているというオジさんと涼子の奇妙な２人旅が始まる。作家・池波正太郎が自著「銀座日記」の中で本作を誉めている。「×月×日　きょうは、昼間のテレビで古い東映映画を観る。高倉健の「望郷子守唄」という任侠物で、観ているうちに、われ知らず引き込まれ、ついに観終わってしまう。（中略）夜は夜で、これもテレビ・ドラマ『ラベンダーの風吹く丘』という、行方不明の息子をさがす若い母親（安田成美）と奇妙な男（イッセー尾形）を描いたもので、そのユーモアとペーソスは一級だった。ことに、イッセー尾形の型やぶりの演技に感心する。安田もよかった。ほとんど二人きりのドラマだが、早口でたたみ込むセリフがよくきこえて、そのここちよさに、つい引き込まれ、また観終わってしまう。終って十時半。きょうは仕事にならなかった。【この項、「池波正太郎の銀座日記」（池波正太郎著、新潮文庫）より引用】」【異説】一部資料では、1989/11/25、土曜21:00～22:30放送と記載されている。