イカ釣り船で函館に行き、ワールド牧場で働くことになった清（芦屋雁之助）のエピソード。「青森から暖かいところへ行こうとして、間違って漁船に乗って函館に着いた放浪の天才画家・山下清（芦屋雁之助）は、朝市で巡査に職務質問されたため、馬ぞりの荷台に隠れたところ、馬が勝手に歩み出してワールド温泉牧場に到着する。清はそこでアルバイトをするゆかり（長山洋子）の世話になり、ワールド温泉牧場に住み込み働くことになる。ゆかりは東京の獣医大学に合格したものの、実家である競走馬を育てる牧場の暮らしを考えると父・正夫（地井武男）に言い出せないでいた。それを知った正夫は、ゆかりの弟・〔サトル〕（中垣克麻）に世話をさせている馬・リキを売ろうとする。〔サトル〕はリキを売ることには反対だったが、ゆかりのためを思って淋しさを堪える。ある日、ワールド温泉牧場の馬・アオが病気になる。吹雪で獣医が来られないので、ゆかりが電話で治療方法を聞いて治療を行なった結果、アオは全快する。ゆかりは上京して獣医になることを誓い、また〔サトル〕は、リキが引き取られた先で役に立っていることを知り、得心する。それぞれの幸福を見定めた清は、牧場を駈ける馬の絵を〔サトル〕に託して、再び旅に出る。やって来た獣医（垂水悟郎）が清の正体に気付いたため、大勢が追って来るので、清は港へ逃げ、訪れた時と同じ漁船に乗せてもらい、沖へ出て行くことに。【この項、文：市村】」ロケーション協力：函館市、全日本空輸、大沼国定公園　ワールド温泉牧場。【役名（演技者）】「芦屋雁之助…山下清（放浪の天才画家。浅草出身）、長山洋子…ゆかり（ワールド温泉牧場でアルバイトをしている。東京の国立獣医大学に合格する）、地井武男…正夫（ゆかりたちの父。昔は競馬の騎手だった。競馬馬を育てている）、佐藤英夫…田島（ワールド温泉牧場の社長）、竹内力…田島哲也（ワールド温泉牧場の社長の息子。通称「若旦那」）、坂本あきら…函館の巡査、多田幸男…「ヤスさん」（ワールド温泉牧場の従業員。初老の男性）、安部潮…三郎（ワールド温泉牧場の従業員。通称は「サブ」）、中垣克麻…〔サトル〕（ゆかりの弟）、小野田真之…〔センタ〕（ワールド温泉牧場の従業員）、立原博…〔サトル〕の馬・リキを買い取る男性（三岱開拓村の住人）、垂水悟郎…〔ヨシムラ〕（獣医）、高月忠…漁船・第二十八千代丸の船長（青森から山下清を乗せる漁船の船長）、松山豊…郵便局の局員、長谷川艶子…リキを買い取る男性の妻、久保田百恵…〔トモコ〕（リキを買い取る男性の娘）。【この項、文：市村靖介】」【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：市村靖介）】