新米のシナリオ・ライターはプロデューサーに気に入られようと「火遊び」用に自分の部屋の提供を申し出るが、連れてこられたのは彼の好きな新人女優だった…。【以上、文・右京大作】「かけ出し放送作家の勉（小堺一機）は、今夜もスナックで原稿用紙に向かっていた。というのも、先輩の中馬（原田芳雄）が勉の部屋を情事に使っているからだ。仕事を世話してくれる中馬に、文句も言えず、情事の終わった頃を見計らって帰る勉。ある晩、勉が帰宅すると寝室は男女の交わりの余韻がプンプン。怒りを抑えつつ掃除している最中に女が訪ねてきた。ドアを開けるといきなり勉に生卵をぶつけてきたその女・素子（洞口依子）は、中馬の情事の相手だった。素子は女優の卵。仕事をもらうため中馬に近づいたものの、いつしか本気で好きになり始めていた。事情を聴いた勉は、自分の心の中にも素子と同様の、中馬に対する複雑な感情があることに気づく。そんな折、中馬が勉にドラマの最終回を書いてみないかと言ってきた。念願のドラマを書けるとあって、張り切る勉。が、放送されてみると全然別の結末に変わっていた。【この項、「ザ・テレビジョン」1986/12/26号（角川書店刊）より引用】」協力・メリエス。