高校３年生の微妙な乙女心（？）を絶妙の呼吸で捉えたリアルな青春風景ドラマ。一部の玄人筋で高い評価を受け、続編「帰って来た桃尻娘」も制作され、後年の劇場映画「櫻の園」への布石ともなった。「大学受験前後の高校生の恋愛や友情を描いた作品。青春ドラマのワクを破った作り方で、タブーだった同性愛まで登場するが、軽いテンポで面白く見せる。橋本治の同名の小説が原作。ヒロインの新人相築彰子がさわやかな印象でよい。都立高校三年の榊原玲奈（相築）はボーイフレンドの唯史と別れて早大受験に打ち込むが、彼女のまわりは親が知れば腰を抜かしそうなことになっている。同級生の久美は玲奈を慕い、思いが通じない腹いせもあって唯史とホテルに。一方、源一（米山善吉）はバスケット部の先輩、圭介に愛情を持ち、圭介の彼女涼子との、おかしな三角関係が出来ている。息子の同性愛の性向を怒る父親（ハナ肇）も出てくるが、どの登場人物についてもあまり親子関係には深入りせず、これといった事件も起こらない。しかし、「恋するだけが青春じゃない」と冷めた目で周りを見る玲奈の視点で、高校生の生態がクールに描かれ、大人には全面共感は出来なくても、つい引き込まれるあたりはなかなかの腕。こうした〝冒険〟をするドラマがもっと増えてもよいだろう。【以上、毎日新聞テレビ欄1986/03/06付「視聴室」より引用（署名：祥）】」主演の相築彰子はのちに俳優・伊原剛志と結婚（のちに離婚）。【その他のクレジット表示】車輌：富士映画。協力：QU'EST-CE QU'ELLE A?、丸井新宿店 インテリア館、お好み焼ハウス くるまやさん、ホテル渋谷 アイネ。【異説】一部資料では、1986/02/27放送と記載されているが誤り。【役名（演技者）】榊原玲奈（相築彰子）、醒井涼子（金子美香）、牧村久美（黒沢ひろみ）、磯村 薫（松田洋治）、木川田源一（米山善吉）、大西唯史（豊原功補）、竹馬百合江（徳丸純子）、滝上圭介（瀬山修）、磯村尚治（阿部雅彦）。【参考資料：ツイッターアカウント「森山 龍二 Moriyama.Ryuji」（@shinya_bokudake）氏のツイート（2023/07/29参照、https://twitter.com/Moriyama_Ryuji/status/1684957457255374848）】