第４回読売テレビゴールデンシナリオ賞最優秀賞受賞作品のドラマ化。「村瀬は、高裁長官を最後に退官した高名な弁護士。ある日、見知らぬ女から娘の弁護を依頼される。その女の夫は、かつて村瀬の口から死刑を宣告された男であった。【この項、「月刊ドラマ」（映人社刊）1985/05月号）より引用】」「法が人を裁くのか、人が人を裁くのかを、母親の子殺し事件を通して「裁き」をテーマに展開。全体に緊張感が漂う力作で、天野恒幸の手堅い演出が光る。【この項、文：古崎康成】」放送当時、脚本の海原卓は本作について語っている。「この作品は、私のデビュー作です。法律一筋に生きてきた元裁判官で在野法曹の権威である主人公が、二十年前に担当した死刑事件の法廷で何気なくもらした一言。その一言が、当の被告人にもたらしたものは何であったか。それを知った主人公が、苦悩のうちに裁判の本質を告白する最終弁論が、このドラマの見どころです。天野恒幸さんの演出で重厚な「考えるドラマ」になったことを作者として嬉しく思っています。【この項、文：海原卓（「月刊ドラマ」（映人社刊）1985/05月号）より引用】」