家庭を持った兄は大阪に、姉は和歌山に嫁いでいるので、29歳のOL・前川美加子（坂口良子）は母のたみ子（杉村春子）と二人で暮らしている。ある日、美加子は田上夫人（たしろ之芙子）の紹介でお見合いをすることになり、たみ子とホテルへ出かけて行く。ところが見合い相手の西山義彦（醍醐貢介）とその母・葉子（浦川麗子）との会話の中で、美加子と離れて暮らすのは淋しいと泣き出してしまうたみ子に美加子は困ってしまう。たみ子は美加子が結婚した後も一緒に暮らすことを求めていた。そんなことでは生涯結婚出来ないとして口論になった美加子を置いて、たみ子は家を出てしまう。たみ子がいなくては食事もままならない美加子が、帰って来ない母を心配して駅のベンチで泣いていると、竹村学（渡辺篤史）という男性が声をかけてきて慰められる。帰宅した美加子の前に、父との思い出の鳥取の温泉に出かけてきたというたみ子が現われる…。【以上、文・市村】【演技者…役名】「杉村春子…前川たみ子（美加子の母）、坂口良子…前川美加子（29歳のOL）、寺田路恵…中山まさ子（美加子の同僚）、たしろ之芙子…田上（仲人。美加子に夫の会社の男性を紹介する）、浦川麗子…西山葉子（義彦の母）、醍醐貢介…西山義彦（美加子の見合い相手）、木田愛子…バーの女（竹村の知り合いの女性）、中島元…板前（竹村の行き着けの酒処・むさし亭の板前）、山川弘乃…女将（竹村の行き着けの酒処・むさし亭の女将）、渡辺篤史…竹村学（32歳）。【この項、文・市村】協力・帝国ホテル。提供・東芝。【データ協力・市村】