放送批評家賞（ギャラクシー賞）第15回期間選奨受賞（脚本・佐々木守）対象作品。「男尊女卑に固まる一家に乗り込んだお手伝いさんが女権復活に全力投球。中山千夏が持ち味を発揮、男性軍はきりきり舞い。劇中、出演者が自分の役柄をぼやくなどのユニークさで「脱ドラマ」の異名を。【この項、「テレビ40年 IN ＴＶガイド」より引用】」。ドラマのクライマックスは「琉球人」中山千夏が５０歳代の軍国主義のじいさん（志村喬）と結婚して家庭内でおばあさんになってしまう混乱を描く。シュールな描写が話題となった作品。中山千夏がアイヌ人に扮する続編も作られた。「脱ドラマ」と呼ばれ、ジャン・リュック・ゴダールの映画「彼女について知っている２、３の事柄」の影響を受けているという。残念ながら放送局に現存するビデオは沖縄編の最終回だけだという。本作については総じて好意的な批評が多く、今日ではそれが定着していると考えられるが、当時、放送評論家の佐怒賀三夫氏は本作に否定的な見解を寄せた。「テレビドラマという形式の変わりつつあるとき、けっして保守的な手法に固執するわけではありませんが、その変わりつつある部分がドラマを犠牲にして、出演俳優の生味の人間をむくということにあるのでは、やはり問題があると思うのです。それだけなら別にドラマの手法をかりなくとも、ショー番組、バラエティー番組でもいいでしょう。毒舌をふるって歌手連を斬りまくる前田武彦氏にまかせておいてもよいことなのです。」各回のサブタイトルは以下のとおり。第１回「男だらけ」、第２回「天地無用です」、第３回「横積禁止です」、第４回「御報参上します」、第５回「運賃着払いです」、第６回「われもの注意です」、第７回「手かぎ無用です」、第８回「迅速・ていねいです」、第９回「危険物禁止です」、第10回「かけヒモ注意です」、第11回「重量制限守ります」、第12回「初荷・初夢・宝船」、第13回「花嫁・花婿・花女中」、第14回「迫害・裏切り・こんにちわ」、第15回「新妻・新床・新体験」、第16回「獄門・はりつけ・絞首台」、第17回「嗚咽・慟哭・しのび泣き」、最終回（第18回）「18・19・最終回」。提供：旭化学、中外製薬、象印マホービン、味覚糖。【役名（演技者）】田の中菊（中山千夏）、滝沢忠太郎（志村喬）、その息子・孝太郎（桑山正一）、孝太郎の長男・仁（河原崎長一郎）、次男・義（浜田光夫）、三男・礼（林隆三）、四男・智（渡辺篤史）、五男・信（佐々木剛）、山田さくら（中原早苗）、近松千春（戸浦六宏）、神野毬子（鮎川いづみ）、犬山悌子（南風洋子）、犬山君子（宮前ゆかり）、仁一（石田智則）。【データ協力：itom】【参考文献：CD「お荷物小荷物」（2012年発売、ディスクユニオンFJSP-170）に同梱された資料集（執筆：加藤義彦氏）】