天皇の娘として生まれ愛する人と婚約を交わしながら、幕府安泰のため将軍家へ嫁がされた悲恋。「万延元年二月、当時十五歳の和の宮（佐久間良子）は、兄の孝明天皇（仲谷昇）のはからいで桂離宮に居を移した。間近に迫った有栖川宮熾仁親王（平幹二朗）との結婚に和の宮は心をはずませていた。二人がめぐりあったのは、和の宮四歳のとき、彼女の希望で熾仁親王の父大宮（青野平義）のもとに、字の勉強に通いはじめたころだった。以来、二人の心はあいより、孝明帝は二人の婚約をこころよく許したのだった。【この項、読売新聞1968/01/01付より引用】」佐久間良子と平幹二朗が結婚するきっかけとなった作品。