関西の番組制作、技術プロダクション・大阪東通が再生法申請

　関西の放送番組の技術協力に力を発揮していた大阪東通（本社・大阪市北区、横内盛一社長、資本金140百万円）が去る９月27日、大阪地裁に民事再生法の手続き開始を申請しました。負債総額は約35億円。

　大阪東通は、1968年に東京の「東通」関西支社を母体として在阪の民放各局の出資により発足したもので、2001年３月期の売上高は46億円。収入の４割は朝日放送に依存しており、同社の「新婚さんいらっしゃい」「おはよう朝日です」などに技術協力を行っているほか、毎日放送「ちちんぷいぷい」などの報道・バラエティーに強みを発揮していました。またテレビドラマでも多数の作品の技術協力を担い、近作でも日本民間放送連盟賞優秀賞を受賞した『海に帰る日』(1999年、MBS）をはじめ、西川のりおの母親を描いた『オカン』(2000年、YTV）や『許さへんで悪質商法』シリーズ（1999年～、MBS）などの技術協力などを担当していました。系列に東通ライティングや東通AVセンターなどの放送技術面を担う各社があります。従業員は155人。役員は在阪民放各局出身者で占めます。

　1975年頃まで同社は順調な経営を続けていましたが、1980年代から当時の経営者の乱脈経営やバブル期の不動産投資の失敗などで多額の不良債権が発生。債務免除のため金融機関と行っていた交渉がまとまらなかったことに加え、2003年から関西地区で実施される地上波デジタル放送に対応するための設備投資のための資金調達もままならない状況に陥っていたことも経営破綻の一因となった模様です。
　今後も同社は業務を通常通り継続するとしています。

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