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  • 2000年4月2日
    TBS『ビューティフルライフ』最終回視聴率41.3%を記録。平均視聴率32.3%は歴代1位。
     ビデオリサーチ関東地区調べ。

 放送開始から高視聴率が続いてきたTBS『東芝日曜劇場ビューティフルライフ』の最終回が3月26日(日)放送され、関東地区で41.3%歴代2位(一般劇)の高視聴率を記録しました(一般劇部門の歴代1位は『積木くずし』(TBS))。
 また、全11回を通した平均視聴率32.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、こちらは1977年以降の連続ドラマ(10回以上)の歴代1位(一般劇)を記録しました(※)(これまでの歴代1位は『ラブジェネレーション』(フジ))。

 『ビューティフルライフ』は、新進の人気美容師・沖島柊二(木村拓哉)と死病にとりつかれた車椅子のヒロイン・町田杏子(常盤貴子)とが恋に落ち、ヒロインが死ぬまでを男が看取るというストーリー展開。1月にスタートした第1回目でいきなり31.8%(ビデオリサーチ関東地区調べ)という歴代1位の初回視聴率を記録し、以降もほとんどの回で30%以上の状態を維持していたことから最終回の視聴率が関係者の間で注目を集めていました。
 ドラマをめぐっては、「ヒロインを殺さないでほしい」というファンからの嘆願が局に寄せられるなど話題が高まっていましたが、最終回ではそうしたファンの願いもむなしくファッションショーを見学中に倒れた杏子は救急車で搬送される途中、柊二に看取られながら息を引き取りました。沖島が涙を流しながら亡くなった杏子に死化粧を施すシーン(22時10分)では、瞬間最大視聴率47.1%を記録しました。

 TBSプロデューサー・貴島誠一郎氏は新聞等に「主役2人の演技力と、脚本、演出や技術など総合力が多くの支持者をいただいた理由だと思う」とコメントを寄せています。主演の木村拓哉も新聞等に「スタッフ、共演者で一緒に作ったものを、たくさんの方々に受け取って頂けて大変うれしく思っています」とのコメントを寄せました。

 「東芝日曜劇場」での難病のヒロインをめぐる恋物語という設定は、かつて1964年に「東芝日曜劇場」でオンエアされ大ヒットを記録した『愛と死を見つめて』を彷彿させました。

 『ビューティフルライフ』の大ヒットは、制作局・TBSにとっても朗報。90年代に入り、テレビドラマは、長らくフジテレビの黄金時代。かつて「ドラマのTBS」と称されていたほどのドラマ王国TBSは、ドラマ復活を目指していました。
 また3月からは分社化が行われ制作部門が別会社化されるなど正念場を迎えていただけに今回のヒットは同局にとっては面目躍如といったところのよう。
 実際、番組が放送されている期間、TBSは、ワイドショーなどで盛んに『ビューティフルライフ』の人気を取り上げました。ドラマの場面を再三流し、そこに1分ごとの視聴率データを表示するなど人気ぶりをアピール。あまりに取り上げすぎで、コアのファンからは食傷気味、やりすぎとの声も出ていましたが、一層の人気アップに一役買いました。TBSでは、一昨年に制作と編成とを連動させて機動的に番組を盛り上げていくという体制をつくりましたが、これが順調に機能してきたことをうかがわせました。

 高視聴率ドラマを放ち、面目を保ったTBSのドラマが今後どうなるのか注目されそうです。
 TBSは「東芝日曜劇場」の路線をこれまでのサラリーマン路線から10代後半から30代前半層を対象とした若向け路線に変更。その第1作目が『ビューティフルライフ』だったわけですが、『ビューティフルライフ』終了後に放送されるのは『サラリーマン金太郎2』。既存のサラリーマン像を打破するテーマの作品とはいえ、二番煎じの企画。ドラマを映画化したものの不人気だった作品。
 このあたりを見ると今後のTBSの作品企画に過度の期待をするのは禁物のようです。
 これまでもヒットしたドラマがあれば似たような設定で同じようなキャスティング、タイトルのドラマを連発してしまったTBS。ドラマヒットの原因を単純にその設定、キャスティングに求めて同工異曲のドラマを企画し、最後にはマンネリに陥ってしまっていた悪循環を断ち切ることが求められていそうです。
 少なくとも、今回の『ビューティフルライフ』のヒットの要因を短絡的に分析して、難病ものの恋愛劇が氾濫することのないように願いたいものです。

 『ビューティフルライフ』が平均視聴率記録を塗り替えるまでの1位は『ラブジェネレーション』(フジ)で、こちらも同じ木村拓哉主演。改めてキムタク人気が裏付けられた形となりました。
 木村拓哉は今回の出演が、1998年秋の『眠れる森』(フジ)以来の連ドラ。実際は、1999年春のフジ月9野島伸司脚本で主演の予定でしたが、内容があわずに降板した経緯があります。『眠れる森』がやや難解なロマンチックミステリーだったということもあり、次回作にラブストーリーなど、ストレートな内容を希望していたキムタク側のオーダーと合わなかったことが原因といわれていますが、フジは格好の高視聴率が期待できる企画をフイにしたことになるのかも知れません。

 なお、『ビューティフルライフ』のヒットを受けて、TBSはビデオを4月28日からリリースする模様。ビクターエンタテインメントから全4巻で発売されレンタルも同日開始されるそうです。

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TBS

(※)放送回数10回以上の連続ドラマ・一般劇における平均視聴率歴代1位。なお、『積木くずし』(1983、TBS)は平均視聴率35.7%を記録していますが、放送回数が7回のため対象外。

 

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