テレビドラマデータベース
WWW.TVDRAMA-DB.COM

テレビドラマ本の世界>>ドラマ好きの猟書日記>>2001/08


ドラマ好きの猟書日記/2001年8月の日記
戻る

このコーナーはテレビドラマデータベースのページ作者が、各所で入手した書物を
日記形式で延々と記録していく単純なコーナーです。

2001/08

2001/08/31(金)

 もう、夏もそろそろ終わりだが、思い起こすとこの夏はなにかしら忙しい日々だった。このまま夏が終わって季節の変わり目になるとなにやら風邪でもひきそうな気がする。そういうわけでちょっとバタバタ動き回るのをやめてゆっくりしようと決めた。
 本来なら渋谷の東急百貨店で開催されている古書市にも足を運ぶつもりだったのだけど見送ることにした。実際、家は本の山と化している。これ以上、本が増えると家が倒壊するんじゃないかという感じだ。今年に入ってブックオフ通いをはじめたことがこれに拍車をかけている。
 そもそもブックオフ廻りをはじめたきっかけは、今年のはじめ、「週末にはよくブックオフ廻りをしている」と知り合いの女性から聞いたことだった。
 そのあと、車を買い換えた。前の車のときは、1ヶ月に数回乗るか乗らないかといった程度で、冬の冷え込んだ時期には頻繁にバッテリーがあがったほどだった。買い換えにあたって、今度はもっと車に乗って外出するようにしようと決心した。家にいて本やテレビドラマばかり接していずに、外にもっと出なければと思い立ったのだ。「書を捨てよ町へ出よう」といったところだ。
 それには休みの日にブックオフをはじめとした古書店巡りを車でするのがいいなぁとひらめいたのだった。そして、車も、ドライブしたくなる魅力的な車にしようと、大奮発してBMW製の新車に買い換えたのだった。
 しかし先に書いたようにその結果として家の本の量は加速度的に増加している。これは頭が痛い。「書を捨てよ」と思い立った結果が書に埋もれることになろうとは…。

★ブックオフ大阪心斎橋店(大阪市中央区)

 今日は地下鉄に乗って心斎橋にあるブックオフに向かう。前回訪問が6月の第1週だったのでほぼ3ヶ月ぶりの訪問ということになる。この店は知る人ぞ知る関西最大規模のブックオフである。とはいえ、前々日に訪問した灘波のブックオフでの収穫がゼロだったということもあり、期待せずに向かう。

 ●橋田壽賀子・著 おしん(四)戦後篇 1984年、日本放送出版協会 100円
 ●山本為世子・著 愛すべきガキ大将 1984年、彌生書房、100円
 ●和田アキ子・著 みんな大好き 1987年、小学館刊、100円
 ●京唄子・著 人生は回り舞台 1988年、こだま出版刊、100円
 ●赤川次郎・著 新・赤川次郎読本 三毛猫ホームズと仲間たち 1990年、学研刊、100円→500円
 ●おもしろ博学学会・編 超笑える・お笑いタレント大百科 1993年、勁文社文庫刊、100円
 ●「鬼平」を極める 1994年、フジテレビ出版刊、100円
 ●飯島早苗・著 ハッピーエンドに眠れない 1995年、新潮文庫刊、100円
 ●野沢雅子・著 ボクは、声優 1995年、主婦の友社、100円
 ●仁科明子・著 いのち煌めいて 1996年、小学館刊、100円
 ●梨元勝・著 ワイドショーよ永遠なれ! 1997年、ジャパン・ミックス刊、100円
 ●清川虹子・著 みんな寂しいの だから笑って 1997年、ダルマブックス刊、100円
 ●矢崎滋・著 ボクの、こだわり。 1997年、文化出版局刊、100円
 ●北川悦吏子・著 恋につける薬 1998年、角川文庫刊、100円
 ●西村雅彦・著 僕のこと好きですか 1998年、小学館文庫刊、100円

 期待しなかった割には結構、購入した冊数は多かった。

 この中では仁科明子・著「いのち煌めいて」がいい。
 彼女のファーストキスはドラマの中でのキスシーン(相手は篠田三郎氏)だそうで、これは監督にダマされてキスさせられたという。このドラマの監督は誰なのか調べてみると飯島敏宏氏とある。飯島氏が監督の回かさだかではないがもしそうだとすると如何にもありそうで今となってはおおらかな話に見える。
 また結婚相手となった松方弘樹との出会いから交際過程が細やかに綴られている。はじめて松方弘樹と結ばれた話が場所・シチュエーションまでキチンと書かれていたりと、なかなか普通なら書かないであろう話までちゃんと言及してくれている。これらのエピソードが流れるような文体で書かれていて実に読みやすい。彼女自身が書いたのか、ゴーストがいるのかどうか分からないが、なかなか知性が漂う内容だった。

 このほかでは、京唄子・著「人生は回り舞台」が印象深い。敗戦間もない頃に地方回りをしているとき、身に覚えのない猥褻物陳列罪を着せられ有罪刑を受けて投獄させられたあたりは強烈な印象が残る。北川悦吏子著の「恋につける薬」も面白い。北川悦吏子本がどれも面白くて一時期、どどっと読んだのでてっきりすべて読了していたと思ったのにこれだけ未読だったようだ。これもオススメだ。

 それにしても、この店、これだけ大きくて各文庫本とも充実しているというのに、何故か集英社文庫コバルトシリーズが一冊もない。不思議な書店である。

 いつも私はブックオフは100円棚しか基本的に見ないし、購入しないようにしているのだが、レジにもっていくと、上記のうち赤川次郎・著「新・赤川次郎読本」だけ100円ではないという。おかしい、100円棚にあったというのに、と不審に思ったものの、500円という値札も見せてくれたのでまぁ、いいかと了解した。ところが帰宅して見てみると、別のところに100円のシールが貼ってあったのだ。まったくもってけしからん話だが、こういう経験をブックオフでした人って結構、多いのではないだろうか。私は二度目だ。今回はレジの男がわざわざ私に確認してきたのでまだいいのだが、前回のときはレジで打つ際に勝手に元の値段で打っていた。ただ前回は100円シールがなかったのだが…。(とはいえちゃんと100円棚にあったのだ)

 それ以来、100円棚にある本でもちゃんとシールが付いているのか確認するようにしているが、たまに100円棚に100円シールが貼られていない本が混ざっていることがある。100円棚にあるのに100円ではない本というのは誰も買う気が起こらない。たぶん、シールが100円に張り替えられていないことに気づく店員もいないだろうし、いずれは売れずに廃棄に廻されてしまうことだろう。本自身にとっても不本意な話だし、気づいた私も気になって困るのだ。

★進呈本

 帰宅すると、フジテレビから雑誌「AURA」第148号が届いていた。今号は、「特集・現代ドラマ考」で私も寄稿させていただいているので送ってくれたのだ。

2001/08/29(水)

 今夜は大阪・なんばで飲み会があり、21時過ぎに終了。そこで近くのブックオフなんば駅南口店に向かう。ところが収穫は全くなし。これだけ何の収穫もないことも珍しい、というか初めてのことだった。

2001/08/26(日)

 午後少し遅く16時ごろから車で外出。目的地は2ヶ月半ほど前に訪問したブックオフ大阪千島ガーデンモール店。ここは他のショップと複合店舗となっており来訪者も多い。ところが以前訪問したときは、カーナビでこの番地が見つからずに苦労したところだった。今回は前回登録しておいたので比較的簡単に向かうことができた。

★ブックオフ大阪千島ガーデンモール店(大阪市大正区)

 比較的ブックオフの中でもゆったりとした規模の店だが、前回訪れたときはあまり収穫がなかった記憶がある。そういうこともあり今回もあまり期待していなかっただが、意外と購入冊数は多かった。

 ●和田アキ子・著 和田アキ子だ 文句あっか! 1983年、ラクダブックス刊、100円税別
 ●野沢尚・著 V.マドンナ大戦争 1985年、集英社文庫COBALT-SERIES刊、100円税別
 ●恋する女たち・シナリオ写真集 1987年、東宝刊、100円税別
 ●石橋貴明、木梨憲武・著 とんねるず・大志 1988年、ニッポン放送出版刊、100円税別
 ●藤田まこと・著 料理の上手な女性にささげる本 1989年、PLAY BOOKS刊、100円税別
 ●ダンプ松本・著 どんとこい芸能界! 1989年、ラクダブックス刊、100円税別
 ●加東康一・著 その人その愛 加東康一が愛した30人のスターたち 1990年、勁文社刊、100円税別
 ●杉良太郎・著 これこそわが人生 1991年、読売新聞社刊、100円税別
 ●高倉健・著 あなたに褒められたくて 1991年、集英社刊、100円税別
 ●暮らしの達人研究班・編 悪魔のテレビ講座・大きなお世話な本 1992年、青春BEST文庫刊、100円税別
 ●小山内美江子・著 それぞれの老いじたく 1994年、家の光協会刊、100円税別
 ●青島幸男・著 青島幸男とたった七人の挑戦 1995年、徳間書店刊、100円税別
 ●島桂次・著 シマゲジ風雲録 放送と権力・40年 1995年、文藝春秋刊、100円税別
 ●奥山光伸・著(「光」はにんべん) 芸能界あいうえお 1996年、たちばな出版刊、100円税別
 ●河合美智子・著 たなぼた・オーロラ輝子繁盛記 1997年、光文社刊、100円税別
 ●黒木瞳・著 わたしが泣くとき 1997年、幻冬舎文庫刊、100円税別
 ●竹内義和・著 テレビ汁 1998年、ぶんか社刊、100円税別

 このうち、杉良太郎「これこそわが人生」は、以前雑談掲示板でドラマ本の話題のときにアール・ケイ氏が言及されていた本。同じスレッドでキクチサヨコA氏が推薦した杉良太郎の「人生すきま風」はすでにネット上から入手していたのだが、こちらは見あたらなかったので待望の一冊でそれが100円で入手できたのはうれしい。「人生すきま風」よりドラマ関係の記述が減っており、杉氏自身の興味の変遷もうかがえる。あとは野沢尚氏のデビュー作となった映画「V.マドンナ大戦争」のノベライズ本がちょっとした掘り出しものだろうか。集英社文庫コバルトシリーズに書いていたんですね。集英社文庫コバルトシリーズで探している本が以前からあって棚を見ていたら見つかった次第。ノベライズした人の名前が載っていないので、野沢尚氏自身がノベライズしたのだろうか。だとしたら他人にノベライズされたくないであろう同氏らしいことだと思った。巻末には野沢氏自身のあとがきが載っていて、若々しさの漂う文章が新鮮だった。

 あと、この店、文庫本が充実している。とくにソノラマ文庫が大幅に揃っているのはその向きを蒐集している人にはこたえられないだろう。

2001/08/25(土)

 午後から車で外出。目的は、22日訪問した森小路のBOOKS CHIGAを再訪して買い残した「月刊ドラマ」の残りを入手すること。出発前に蔵書となっている「月刊ドラマ」のナンバーを手帳にメモ。これがあればこれから古書店を訪問してもダブって買ってしまう恐れはない。
 出発してよく考えるとBOOKS CHIGAから近いところにブックオフ大阪鶴見緑店があることを思い出した。徒歩で鉄道利用だと全く違う位置関係だが、車だとかなり近い。このブックオフを訪問したのは5月下旬ごろだったと思うので、ほぼ3ヶ月経過している。そこでこちらにも立ち寄ることにした。

★ブックオフ大阪鶴見緑店(大阪市鶴見区)

 以前、ここを訪れた時は脚本家の林秀彦氏がオーストラリアに住むようになってその滞在記の本が並んでいたのだが、まだ通常コーナーにあったため、いずれ100円均一コーナーに移ることを期待して買わずに帰ったのだった。
 今回、果たして100円均一棚にこれが並んでいるかと期待したのだがなくなっていた。売れてしまったのだろうか。内容的にはドラマに関する事柄が書かれている本ではないので、まぁ、あきらめることとした。

 ●吉田直哉・著 思い出し半笑い 1988年、文春文庫刊、100円
 ●倉本聰・著 火の用心 1990年、理論社刊、100円
 ●野際陽子・著 脱いでみようか 1996年、扶桑社刊、100円
 ●香取慎吾応援団・著 香取慎吾のおヘソ 1996年、鹿砦社刊、100円
 ●早坂暁・著 よだかの星 1996年、河出書房新社刊、100円
 ●堂本光一・応援団・著 イケてる!堂本光一・芸能活動編 1996年、鹿砦社刊、100円
 ●関容子・著 役者は勘九郎・中村屋三代 1997年、文春文庫刊、100円
 ●大石静・著 駿台荘物語 1998年、文春文庫刊、100円

 これまでブックオフでは文庫本をチェックしていなかったのだが、一般書にめぼしい収穫がなかったため、文庫本棚にも目を向けた。「思い出し半笑い」「役者は勘九郎」「駿台荘物語」いずれの文庫本もなかなか面白かった。とくに「駿台荘物語」は、大石静が書いたドラマ『オードリー』の土台となった自身の経験が綴られている。ドラマ『オードリー』のヒロインは大部屋女優時代に廻りから理不尽ともいえるイジメを受けたが、これと類似する体験を大石静が商業演劇時代に受けていたんですね。
 しかしそれにしてもブックオフに食指が動く本が減ってきたように思う。ブックオフに流れやすい本がひととおり私の目を一巡したためかも知れない。

★BOOKS CHIGA(大阪市旭区)

 続いて22日訪問したBOOKS CHIGAへ。駐車場が用意されていないため、急ぎ足で目的の棚に向かう。
 3日前に訪問したときとほぼ同じ棚構成で「月刊ドラマ」誌が並んでいる。ところがよく見ると3日前に買ったのと同じ号が含まれていた。私が買って抜けた棚を少し補充したのかと思った。なんとその同じ号というのが「月刊ドラマ」1993年6月号だった。つまり、あのわざわざビニール包装していて開けてみるとボロボロだった号なのだ。今回並んでいるこの号は比較的綺麗な状態だ。だからかどうか、今回はビニール包装はしていなかった。やはりあのビニール包装はボロボロなのを隠そうとしたのだろうか。しかしそんなことはあるまいと少し首をかしげながらもダブリを承知でこの号を買うことにする。

 ●月刊ドラマ 1986/05月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1987/01月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1987/02月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1987/05月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1987/06月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1987/07月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1987/11月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1988/01月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1988/02月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1988/03月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1988/04月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1988/05月号 映人社刊 400円
 ●月刊ドラマ 1991/04月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1991/10月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1991/11月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1992/01月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1992/06月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1992/10月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1992/12月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1993/05月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1993/06月号 映人社刊 300円
 ●月刊ドラマ 1993/07月号 映人社刊 300円

 今回は事前に蔵書の「月刊ドラマ」をメモっておいたのでダブリはないだろうと思っていたのに家に返ってみると前述の93年6月号の意識的なダブリ購入以外にダブリが発生していた。つまり私は棚にあるドラマ誌と手帳のメモとを比べながら棚から抜いていたのだが、棚に並んでいるドラマ誌自体にダブリがあったのだ。なかなかダブリを撲滅することは難しい。

2001/08/24(金)

 毎日、なんとなくどこかの書店に寄りたくなる。何か読む本が買いたい。そういう活字中毒がここ最近、悪化している。今宵も新刊書店に立ち寄って、何かいい本が見つかるまで長居してしまう。結果、買ったのがこれ。

★淳久堂書店天満橋店(大阪市中央区)

 ●道江達夫・著 昭和芸能秘録・東宝宣伝マンの歩んだ道 2001年、中公文庫刊、857円税別

 これ、自費出版された本の文庫化なんですね。いい本なら自費出版だったとしても良書は文庫化するという中公らしい姿勢かもしれないが、ちょっと文章がこなれてなくて読みづらい。また目新しい情報が少なく、実際問題、良書なのかどうなのか。

2001/08/22(水)

 「TVガイド」のバックナンバーが置いてあるのを見かけたという情報を以前から頂いていたので、夕刻から大阪・森小路の千賀書店に向かう。そのついでに千林・今市付近の古書店を軒並み見て回ることにする。

★BOOKS CHIGA(大阪市旭区)

 京阪電鉄森小路駅から昔ながらの商店が並ぶ町並みを進むと国道1号線に出る。その角からすぐのところにBOOKS CHIGAがあった。「全国古本屋地図」には千賀書店が載っているだけでココは載っていない。
 店内は音楽、芸能などにやや重点を置いた構成になっている。90年代の音楽雑誌や芸能雑誌、演劇雑誌が並んでいる。「明星」「平凡」は60年代、80年代のものもある。人気の70年代のものが見あたらなかった。目当ての「TVガイド」は、残念ながら90年代の一冊しかなかった。このほか、「月刊ドラマ」も多数並んでいたが、すでに保有済みの「月刊ドラマ」との重複を避けねばならず、すぐに入手したい号だけをとりあえず入手。

 ●向田保雄・著 姉貴の尻尾・向田邦子の想い出 1993年、講談社文庫刊、100円
 ●月刊ドラマ 1986/04月号 400円
 ●月刊ドラマ 1987/09月号 400円
 ●月刊ドラマ 1991/08月号 300円
 ●月刊ドラマ 1992/07月号 300円
 ●月刊ドラマ 1993/06月号 300円
 ●TVガイド関西版 1993/12/31号 300円

 「月刊ドラマ」の価格は90年代のものが300円で80年代のものが400円に統一されているようだ。80年代のものにはビニールカバーがつけられている。なぜか購入した「月刊ドラマ」の1993年6月号は90年代なのにビニールカバーがつけられていた。帰宅してみて唖然としたのだが、この号、表紙に缶コーヒーの置いた跡があったりしてボロボロなのである。ボロボロなのを分からなくするためにビニールカバーをしたのならとんでもない話だがまさかそんなことはあるまい。またこの話には後日談がある。(2001/08/25の日記を御期待)基本的にこのお店はオススメの店だ。
 帳場は年輩のご婦人。ものごしの柔らかそうな方で古書の雰囲気と調和していた。

 BOOKS CHIGAから千林方面へ国道を進むと、千賀書店がある。先のBOOKS CHIGAと同系列だと思われるが、こちらは演劇、映画、芸能関連の貴重書が揃えられているようだ。入ると、東京・神保町の中野書店のような雰囲気だ。帳場でマニアらしき青白い顔の男がなにやら店員と話し込んでいる。それはほっといて店内をぐるっとまわったが意外なほど収穫がない。たまに面白そうな本があるのだがいずれもすでに入手済みのものばかり。しかもそれらが私の購入時の価格よりも少し高価だったので探索意欲がなくなってしまった。
 芸能、映画、演劇関連の基本図書を手っ取り早く揃えるには好適な書店といえそうだ。
 千賀書店では何も買わず、「全国古本屋地図」を頼りに進む。「古本屋地図」に載っていた尚文堂書店はすでに閉店時間を過ぎてしまっていた。そこから横断歩道を渡り、千林商店街に入る。入ってすぐのところには川端書店がある。店内がガラガラで居心地が悪かった。誰もいない古書店に入るのは、ちょっと気詰まりになりがちだ。収穫もなく、するっと見ただけで店を出る。続いてその斜め向かいにある楠書店へ。こちらは客が2人ほどいて狭い通路に陣取っているので通れない。残念ながらあまり棚を見ることが出来ずに後にした。

★山口書店(大阪市旭区)

 楠書店を出てここから千林商店街を京阪電鉄千林駅の方へ向かう。途中から今市商店街の方に曲がり、商店街をずっと行くと山口書店があった。この山口書店については昔、誰かが少年時代の書店に関するエッセイに書かれていたことがある。誰だったか?店内には椎名誠のエッセイが目に付いたので、目黒考二氏か椎名誠氏あたりのエッセイだと思って帰宅後、探したが見つからない。
 この書店は細かいところが親切だ。晩夏でまだまだ暑い時期である。私が店内に入ると帳場を務めていた年輩の婦人が手元の扇風機を、私の方へ向けてくれるのである。本を捜していると涼しい風がやってくる。こういう配慮をされると何か買わないと悪いなぁという気になってくる。ちょっとジャンル外かも知れないとは思ったが無理に探して2冊、購入した。

 ●持田寿一・著 なにわ雑楽誌1 大阪お笑い学 1994年、新泉社刊、900円
 ●持田寿一・著 なにわ雑楽誌2 大阪お芝居学 1994年、新泉社刊、900円

 このあと、商店街を地下鉄谷町線太子橋今市駅の方へ進む。山口書店からすぐのところには関西読書倶楽部(ちょっと店名は曖昧)という本が思いっきり読めるというフレコミの喫茶店があったり、老舗風の着物の染み抜きの店があったりと、なかなか面白い町並みだと思った。
 「全国古本屋地図」によると「玄界棲」という古書店が地下鉄の駅までの途中にあるそうなのだが結局、見あたらず、そのまま谷町線太子橋今市駅から帰路に着いた。
 帰宅してみると、年間購読している「週刊TVガイド」関東版 2001/08/31号が届いていた。

2001/08/20(月)

 台風が九州に向かっているとの報道。しかも宮崎空港が閉鎖されたという。
 帰路は今夜だったが、繰り上げて11時台の大阪行きに乗ることにする。湯布院温泉の町を見る暇もなく早々に宿を後に、大分空港に向かう。飛行機は無事、離陸。
 大阪国際空港に着いたが、来る際に関西国際空港から出発したため、車が関西国際空港に残っている。やむを得ず、大阪国際空港からリムジンバスで関西国際空港へ向かう。関西国際空港で自家用車に乗り、そこから自宅へ戻る。大阪も次第に雨足がきつくなっている。帰宅途中、紀伊国屋書店堺店に立ち寄り、テレパル8月18日号を入手。帰宅すると、「月刊ドラマ」9月号が到着していた。
 台風は一時間に15キロというゆっくりしたスピードで進んでいるという。またコースも当初予想された九州直撃ではなく向きを東に微妙に変えているようだ。当初、搭乗する予定だった飛行機も予定通り運航されたようで、航空券がこれで無駄になってしまった。

2001/08/19(日)

 雲仙温泉での宿泊は宮崎旅館。広い庭園とゆっくり落ち着ける部屋。これまでに訪れた旅館の中でもとりわけ感じのいい旅館であった。帰宅後にはちゃんとメールで挨拶まで届いていたのには恐れ入る。メールによると女性経営者が三代に渡って経営されているそうで、細やかな心遣いの行き届いた宿だった。チェックイン13時、チェックアウト11時というのもオドロキ。もっと早く知っていたら、あちこち廻らずにココに直行していたところだ。後日、テレビドラマデータベースのデータを整理していると1976年から1978年にかけて放送されたテレビドラマ『花ぼうろ』(作・花登筐、出演・島田陽子)の舞台が雲仙温泉だったそう。まさかこの旅館がモデルとは思わないが確かに再訪したい旅館だ。
 さて、朝起きて新聞を見るとなんと台風が九州に接近しているとのこと。あさってあたりヤバイらしい。
 チェックアウトが11時ということと、居心地の良さで出発が遅れてしまう。11時に出発。普賢岳を展望するところに寄った後、島原外港へ。ここから熊本へカーフェリーで渡る算段だ。ところが台風接近のため高速フェリーの方が休航。普通のフェリーだと1時間かかってしまう。やむを得ない。

★ブックオフ 熊本大津店(熊本県菊池郡大津町)

 フェリーで熊本に着くともう13時半。ここからひたすら57号線を阿蘇山方面へ向かう。道路は混雑していてなかなか前に進まない。途中、ロードサイドのうどん店に寄ったあと、ジャスコ大津店で衣料品の不足を買い込んだあと、向いのブックオフ熊本大津店に立ち寄る。店内は東京・大阪のブックオフと比べるとややくたびれた雰囲気。正直言って買いたい本があまりなかったが、せっかく来た記念に無理に2冊を見つけた。

 ●西川のりお・著 のりおの事件簿 1985年、データハウス刊、100円税別
 ●トヨエツ研究会・著 豊川悦司・その魅力のすべて 1996年、飯倉書房(発行)、有朋堂(発売)刊、100円税別

 これで今日の古本屋めぐりはオシマイ。一路、阿蘇山へ向かう。相変わらずの渋滞だったがなんとかロープウェイ乗り場に到着し火口へ。わずか3分ほど見てそのままロープウェイでUターン。この時点で17時。ここから今日の宿泊地である湯布院温泉へ向かう。やまなみハイウェイという名称で親しまれた道路らしい。なかなか景観も美しいが、遅れているのであまり景色を楽しむ余裕がなかった。湯布院温泉に着いたのは19時近くになっていた。宿泊は湯布院・ことぶき、花の庄という宿。昨日の宮崎旅館がしっとりとした日本旅館だったのと比べると近代的な作り。従業員も現代風でドライな雰囲気だった。部屋に入り、テレビニュースを見ると台風が九州に向かっているとの報道が流れる。

2001/08/18(土)

 九州旅行に出かける。長崎から阿蘇山を経て大分に抜けるコース。基本は観光だが、九州ははじめてでもあり、1日1店程度は古書店を廻ってみるつもり。『全国古本屋地図21世紀版』(日本古書通信社刊)を片手に、初日に訪れる店を機中でセレクト。レンタカーによる移動のため、基本的に訪れる古本店は駐車場が近くに完備しているところにした。

なずな古本店(長崎県大村市)
 長崎空港に着いたのは9時すぎ。そこからレンタカーで早速、初日の目標店であるなずな古本店に向かう。「なずな」という書店の名前が気に入った。お気に入りドラマのひとつ、『オーバータイム』の登場人物の役名と同じだ。空港から約15分ほどの区画整理された地区にある。見つけるのに少し時間がかかったが店構えはほっとするような温かい感じが漂って心地いい。店の前にある駐車場もゆったり。店内もきれいに整っており好感度は高い。

 ●赤星敬尚ほか・著 懐かしのTVアニメベストエピソード99(東映動画編) 年、二見WAiWAi文庫刊、価格不明
 ●池田文雄・著 テレビ人生!「そんなわけで!!」録  年、コアラブックス刊、300円
 ●月刊イメージフォーラム '87/05月号 特集・いまテレビがアブナイ! 1987年、ダゲレオ出版刊、300円

 いずれも中身のある興味深い書目であった。このうち池田文雄氏は「スター誕生」(NTV)のプロデューサーだった方でこの番組にまつわる話を中心とした書籍。

★川村書店(長崎県長崎市)
 
大村市のなずな書店を後に、大村インターから長崎自動車道に入り長崎バイパスを経て長崎市内へ。
 浦賀天主堂を見たあと、ガイドブックを持ってこなかったことに気づく。正午の鐘がなった時分、浦賀天主堂近くの新刊書店・川村書店でガイドブックを購入。旅行先でガイドブックを買っても東京の出版社発行のガイドブックしかないのは残念だけどよくある話。

 ●マップル情報版42 長崎・島原・平戸 2000年、昭文社刊、743円税別
 ●上撰の旅29 九州 2001年、昭文社刊、1,400円税別

 このあと、稲佐山に向かい、頂上で食事ののち下山。一路、諫早市へ向かう。長崎バイパス、長崎自動車道を経て諫早出口から一般道へ。諫早は市川森一の出身地であり同氏のドラマ『親戚たち』でも舞台となっていたところだけに通り抜けたかった。ドラマの町並みの記憶は薄れているのだが、タイトルバックの山々と同じ山影が遠景に開けている。
 ドラマの中でも少し触れられていた諫早湾の干拓に関する展示施設・干拓の里に向かうが、ソフトクリームだけ食べその後、国道57号線を一路、雲仙へ向かい、その夜は雲仙温泉に宿泊。

2001/08/17(金)

★淳久堂書店天満橋店(大阪府大阪市)

 明日から九州旅行の予定のため、昼、道路マップを購入。

 ●九州・都市詳細・道路地図 2001年、昭文社刊、2,476円税別

★八尾西武百貨店「大古本祭り」(大阪府八尾市)

 大阪・八尾西武百貨店では20日までの予定で「大古本祭り」を開催中。夕方6時から大阪・八尾へ向かう。デパート古書市の規模としてはまずまず平均的な広さといったところ。閉店が近いこともあってか閑散としている。閉店時間まであと30分強しかない。大急ぎで棚をぐるっと廻り、放送、芸能関係の本をいくつか見つけることができた。残念ながら購入時に値札・出品店名を明記した紙の帯を外されてしまうため個々の価格が記録できなかった。先日の下鴨神社の古本祭りでも同様だったが購入した書目の価格が記録に残らないのは困ったものだ。なにか意図的な理由があるのだろうか。まさか税務対策ではないと思うが…。

 ●吉田直哉・著 私のなかのテレビ 1977年、朝日新聞社刊
 ●新井和子・著 わたしの民間放送史 1979年、評論社刊
 ●朝日新聞社・編 朝日新聞100年の記事にみる(1)恋愛と結婚 1979年、朝日新聞社刊
 ●朝日新聞社・編 朝日新聞100年の記事にみる(9)追悼録・上 1979年、朝日新聞社刊
 ●朝日新聞社・編 朝日新聞100年の記事にみる(10)追悼録・下 1979年、朝日新聞社刊
 ●倉本聰コレクション18 あなただけ今晩は 1984年、理論社刊
 ●橋田壽賀子と素敵な24人 1989年、家の光協会刊
 ●内川秀治・著 スターたちの素顔・その時どき 1992年、創思社出版刊
 ●松村邦洋・著 ためにならない本 1995年、読売新聞社刊

 この中では吉田直哉氏の本が前々から探していた本で、新井和子氏の本は長年ドキュメンタリー番組を主体に活躍された同氏からみた放送史が綴られている。

2001/08/15(水)

 週末から九州を旅行するため、旅行代理店で予約していたクーポンを受け取りに梅田へ。クーポンを受け取ったついでに、梅田地下街の萬字屋書店に立ち寄るが収穫なし。その足で、大阪駅前第三ビルの「古書のオギノ」他が並ぶ古書街に向かうが、シャッターが降りている。今どきお盆休みとは…と思いつつ、帰路に着く。
帰宅すると年間購読している「週刊TVガイド」最新号が着いていた。

2001/08/14(火)

 岐阜県垂井町での親戚の葬儀に向かう。時間があれば滋賀県内の古書店を廻ってこようかとも思っていた。帰省がはじまっているのか名神高速道路は混雑している。桂付近から京都東インター、さらに大津にかけて渋滞。
 帰路に着いたのは16時半になっていた。帰路の名神高速も渋滞中。
残念ながらこの日、古書店による時間的な余裕はなかった。

古書吉祥(神奈川県茅ヶ崎市)

 古書吉祥より注文していたTBS社史が届いた。

 ●東京放送社史編集室・編 東京放送のあゆみ 1965年、東京放送刊 3,000円

 送料・980円、代金引換郵便で届いたが丁寧な領収書等を付けて下さっていた。背に若干のコスレ傷があるだけであとは美品。この値段は安い買い物であった。迅速な対応にも感謝したい。
 この書籍自体は、過去にオンエアされた番組の一覧表が収められていないなど、残念なところも多かったが、ドラマ研究者なら基本図書であり、資料的に欠かせない一冊ではあることは確かだろう。

2001/08/13(月)

 昨日、申し込んだTBSの社史に関して、古書吉祥から早くも返事のメールが届く。しかももう既に発送してくださったとのこと。迅速な対応はありがたい。

 昼間、岐阜県垂井町の親戚が亡くなったとの連絡が入る。明日、葬儀とのこと。急遽、向かうことにする。

2001/08/12(日)

 朝から検索サイトやニュー源氏で以前からの探求書の表題を順次入力してみる。するとTBSの社史がヒットした。

古書吉祥(神奈川県茅ヶ崎市)

 ●東京放送社史編集室・編 東京放送のあゆみ 1965年、東京放送刊 3,000円

 茅ヶ崎にある古書店のサイト。この古書店は、昨日の横浜そごうでの古書市にも参加されていたが、この本の出品はなかった。3,000円とは安い。状態がよく分からないし、注文フォームもない。果たして在庫がまだあるのかも含めてよく分からないがメールで申し込むことにする。

第14回下鴨納涼古本まつり(京都市左京区)

 午後3時前からクルマで京都・下鴨神社境内・糺の森で開かれている古本まつりに、高速道路をぶっとばして行った。高速道路の通行料が往復3,000円に、現場付近にある駐車場の料金600円のしめて3,600円の費用がかかった。ほんの4年前この近くで3年間働いていただけに少しなつかしい。

 ●並河亮・著 テレビ・ラジオの演出と台本 1965年、石崎書店刊
 ●永六輔・著 芸人たちの芸能史 1975年、文春文庫刊
 ●テレビドラマ代表作選集1979年版 1979年、日本放送作家組合刊(カバーなし)
 ●中村又五郎・山田五十鈴・対談 芝居万華鏡 1982年、中央公論社刊 C・BOOKS
 ●笑福亭鶴瓶・著 哀しき紙芝居 1982年、シンコー・ミュージック刊
 ●村上満・著 ナマ樽博士の世界ビール紀行 1984年、東洋経済新報社刊
 ●田村ガン・著 芸能界エンマ帳 1989年、データハウス刊
 ●佐藤吉雄・著 NHK 1992年、朝日新聞社刊 ND Books
 ●月刊カドカワ 1996/11月号(総力特集・江角マキコ、立体特集・豊川悦司他)角川書店刊
 ●三國連太郎・沖浦和光対談(下)芸能史の深層 1997年、解放出版社刊
   以上、価格は3冊500円などの設定。
 ●第14回納涼古本まつり目録 2001年、500円

 結論からいうと、収穫はほとんどなかった。
 屋外の古書市のせいか、本がざらついている。汚れが多い。まぁ、これらはガマン出来るが、前日・前々日と東京の放送・芸能関係が充実した古本市をまわっていたこともあり、内容も落差が大きかった。

 関西は映画・芸能関係の書物がなかなか出ない。あるいは出ても信じられないほど高値であることが多い。稀にちょっと珍しい本があるなぁと思って値付けを見ると考えられないほど高額なことが多い。一部の良心的な店を除けば、関西の古書店の放送・芸能関係の本の相場は総じて高い。明星、平凡、ザ・テレビジョンのバックナンバーなど、考えられないほど高額な値付けであきれてしまう。放送・芸能に関して東京との差を感じざるを得ない。

 こういうことを書くと、「単にお前の価値判断と店の価値判断が違うだけじゃないのか」と思うかもしれないが、実際に東京の古書市で出ていた書目が関西ではずっと高い値付けだったりする。それを少なからず目撃しているのである。
 漠然とした感覚だと、関西の古書店での放送、映画、芸能関係書の値段は、「この本はこれぐらいの値打ちだ」という段階で付けていると思う。東京でのこれらの書目の値段は、ここからさらに「この本はこれぐらいの値なら買い手が付くだろう」という流通可能性の判断が加わっているように思う。

 例えば、山のようなところからまさに掘り出し物のように掘り出した雑誌「明星」にこんな高額の値付けが付いていても買う気が起こらないのである。確かにこの値で買う層はこの世に存在するとは思うが、その層は、この下鴨神社の古本まつりにそれが出品されているとは知らない層である。

 無理に買ったせいか、上記の購入書の中にもすでに入手済みのものが多々含まれていることに後日気づいた。

2001/08/11(土)午後

 簡単な食事ののち、JRで新宿へ。これで朝からぐるりと一周廻って新宿に戻ってきたことになる。小田急百貨店で開かれている古書市の会場へ向かう。

★新宿小田急百貨店 古本掘り出し市(東京都新宿区)

 ●佐々木甚一・著 テレビ芸術 1959年、パトリア書店刊 1,000円
 ●角間隆・著 これがテレビだ−TVに映らないTVの話− 1978年、講談社刊 680円
 ●向井爽也・著 喜劇人哀楽帖 1978年、文化出版局刊 500円
 ●梨元勝・著 ゴシップとっておきの話 1981年、主婦と生活社刊 600円
 ●大原誠・著 NHK大河ドラマの歳月 1985年、日本放送出版協会刊 2,000円
 ●鶴見俊輔・著 テレビのある風景 1985年、マドラ出版刊 400円
 ●加東康一、伊藤強・著 ザ・芸能界 おもしろタレント学 1986年、テレビ朝日刊 800円
 ●向田和子・監修 向田邦子の手料理 1989年、講談社刊 500円
 ●はがやすし・著 男優女優の昭和誌 1992年、人間の科学社刊 800円
 ●中村吉右衛門・著 半ズボンをはいた播磨屋 1993年、淡交社刊 1,000円
 ●日本女性放送者懇談会・編 放送ウーマンの70年 1994年、講談社刊 700円
 ●高橋元太郎・著 うっかり八兵衛半生記 多力本願 1997年、アスペクト刊 700円
 ●高橋豊・著 幻を追って・仲代達矢の役者半生記 1998年、毎日新聞社刊 800円

 このあたりになるとさすがに疲労がたまってきた。朝食もとらず昨夜の睡眠時間も短かったため、頭がぼ〜っとしている。また腰から背中にかけてのだるさも著しい。そのため、この古本市では、もうろうとしながら廻ったが後半ほとんどざ〜っと見るにとどまった。棚と棚の間隔や勘定場のスペースが狭く通りにくい。これが疲れを誘発した。芸能関係の雑誌バックナンバーも沢山並んでいたがそれなりの高値がついており興味がわくものはなかった。また山口百恵表紙の「週刊TVガイド」も1冊出品されていたものの2,500円という値付けだったため見送った。
 疲労が急激に高まって、次の予定地である荻窪にJRで向かったが疲れているので混んでいる快速線には乗らずに緩行線で向かった。ゆったりと座っているうちに疲れもちょっとましになったようだ。

★ブックオフ荻窪駅北口店(東京都杉並区)

 荻窪に着いた頃には4時前であったが、空模様も悪化。ポツポツと雨があたる状態だった。とりあえず北口駅前にあるブックオフ荻窪駅北口店に向かう。

 ●グループ「悪徳ディレクターズ」・著 テレビマン本日も反省の色なし 1987年、NESCO刊、100円
 ●砂岡周二・著 前略劇団ひまわり様 2000年、鹿砦社刊、100円
 ●野村誠一・撮影 Pour Amitie 宮沢りえ写真集 1989年、ワニブックス刊、900円→500円
 ●井ノ元浩二・撮影 Trap・渡辺美奈代写真集 1994年、ワニブックス刊、1,900円→500円

 ここでは大した成果もなく、「帰ろうか」と思ったとき、突然、タイムサービスと称する割引サービス開始の放送が流れた。聞けば、30分に限り、写真集・ビデオが全品500円均一で販売するというのだ。店内にいた客がさささっと写真集、ビデオの売場に集まっていった。つられて私も向かうことにする。
 私も写真集でプレミアがありそうなものを買おうとしたが、よく分からない。棚には小室友里や石原めぐみなどのAV写真集もあったが、あまりドギツイ表紙のものは持ち歩きしにくい。結局、宮沢りえのファースト写真集と発売時に話題となった渡辺美奈代の写真集を買った。それにしても「タイムサービス」という、本をまさに生鮮品のような感覚でさばくその考え方はブックオフらしい。結果的に私の場合、こういうサービスがなければ買わなかったはずだから売り上げアップにはつながるのだろう。
 聞くところによるとこういったタイムサービスをやっているブックオフはこの荻窪駅北口店と他数店だけだという。ぜひとも全国的に実施して欲しいものだ。

 ブックオフを出たら大粒の雨が降っていた。とりあえず雑貨店で傘を購入。予定ではここから徒歩7分という象のあしという古書店に向かう予定だったが、傘を差してもビショビショに濡れることは必定である。店の構えは未知なので分からないが一般的には均一棚などはすべて引っ込められているだろう。雨も止むかとしばらくミスタードーナツで時間をつぶしてみたが、どうもなかなか止みそうにない。疲れもたまっているので、今回は象のあしへ向かうことは断念。

★ささま書店(東京都杉並区)

 気を取り直して荻窪駅南口側にあるささま書店に向かう。

 ●平原日出夫・著 倉本聰のこころと仕事 1995年、小学館刊 600円(ブックオフのシールには900円とある)
 ●ハウス・オブ・ドレッド・編 '70年代アイドル黄金伝説 1996年、ジャパン・ミックス刊 800円
 ●恩地日出夫・著 「砧」撮影所とぼくの青春 1999年、文藝春秋刊 800円

 ささま書店は、古書に関する文章を多く執筆しているライターの岡崎武志氏がいろいろなところで薦めている店。それだけに一度、訪問してみたかった。今日は、雨ということでここでも評判となっている均一棚はかなり縮小。店先に少しと店の中にと引っ込められていた。内容的にもあまり掘り出し物っぽいものは均一棚になかった。次に店内に入ると整然と並ぶ書物の中に「これは」と思えるめぼしいものがあったので購入。

★キノコノクニヤ書店(東京都新宿区)

 荻窪界隈での古書店めぐりはこのぐらいにして、ここから地下鉄東西線直通電車で高田馬場に向かう。キノコノクニヤ書店は、高田馬場からやや離れた早稲田通りから脇にちょっと入ったところにあった。小松克彦氏主宰オフィスK21のすぐ近くだ。店内は割と広い。

 ●文藝春秋1989年12月臨時増刊号 スタア・早田雄二の世界より 1989年、文藝春秋刊 600円
 ●林家木久蔵・著 昭和平成タレント太平記 1991年、学習研究社刊 350円
 ●月刊ドラマ 各号 映人社刊 1996/08、1998/09、1999/01、1999/04、1999/05、1999/11、2000/11 各300円

 わりと手ごろな値段で面白い本・雑誌が並んでいる店だった。雑誌関係は最近のものが主体だが安い。月刊のテレビ雑誌などをリアルタイムで必要としていない人間にとっては時間を経てからこの店で買うことも選択肢として考えられよう。

★八重洲古書館(東京都中央区)

 キノコノクニヤ書店を離れ、JR高田馬場駅からコインロッカーに荷物を入れているJR新宿に戻り、そこから東京駅に中央線で向かう。これで古書店めぐりは一段落となる。
 東京駅での時間待ちの間に、八重洲地下街にある古書店「八重洲古書館」に向かうが成果なし。

★八重洲ブックセンター(東京都中央区)

 さらに時間があったので八重洲ブックセンターに向かう。そこで列車内で読むための新刊書を購入。

 ●岡崎武志・著 古本屋さんの謎 2000年、同朋舎(発行)、角川書店(発売)刊 1,500円(税別)
 ●噂の真相 2001年9月号 噂の真相刊 448円税別

 ここで購入した「古本屋さんの謎」には、奇しくも川口そごうの古書市の話題が載っている。掲載されているのは数年前の暮れの際の模様だがその頃は一店舗だけの出店だったらしい。そこから見ると今回は数店舗が参加しているようでやや盛り返してきているのだろうか。

 本日の猟書活動はようやく終焉。書籍の購入費用は合計していないが恐らく5万円近く要したのではないか。生まれて以来、これほど大量の書物を購入した日はなかった。

2001/08/11(土)午前

★朝、9時過ぎにチェックアウトし、JR新宿駅から予定に従って横浜そごうに向かう。
 空模様が怪しく、京浜急行の蒲田に差し掛かったころには完全に雨になっていた。
 横浜に到着。中央を南北に貫く広いコンコースを一路南へ。学生時代、東京に住んでいたのに横浜には来たことがなかった。このコンコースを歩くのはなんと二度目だった。

横浜そごう「第29回古書籍大即売会」(横浜市西区)
 横浜そごうはバブル期の代物らしい派手な巨艦店舗。エレベータで早速、古書市会場へ。規模は、かなり大きくて、充実構成。昨日の伊勢丹古書市に負けない内容であった。

 ●芦田伸介・著 ほろにがき日々 1977年、スリーセブン(発行)、勁文社(発売)刊 500円
 ●金田龍之介・著 四十四年目の役者 1977年、レオ企画刊 1,200円
 ●別冊1億人の昭和史・昭和舞台俳優史 1978年、毎日新聞社刊 1,000円
 ●坂本朝一・著 放送よもやま話 1981年、あずさ書房(発行)、あかね書房(発売)刊 1,500円
 ●岡本喜八・著 ただただ右往左往 1983年、晶文社刊 2,000円
 ●唐十郎・著 唐十郎血風録 1983年、文藝春秋刊 1,500円
 ●市川森一・著 港町純情シネマ 1983年、大和書房刊 300円
 ●林えり子・著 焼跡のひまわり・中原淳一 1984年、新潮社刊 500円
 ●倉本聰・著 倉本聰コレクション25・波の盆・ガラスの知恵の輪 1985年、理論社刊 500円
 ●加東康一・著 スキャンダルの昭和史 1985年、話の特集刊 2,000円
 ●杉村春子・著 振りかえるのはまだ早い 1986年、婦人画報社刊 800円
 ●清川虹子・著 役者馬鹿・女の一笑 1988年、婦人画報社刊 1,500円
 ●難波利三・著 小説吉本興業 1988年、文藝春秋刊 600円
 ●清野徹・著 おしゃべりな天才たち 1990年、NESCO(発行)、文藝春秋(発売)刊 900円
 ●松坂慶子・著 女優と、私と 1992年、主婦と生活社刊 800円
 ●平原日出夫・著 向田邦子のこころと仕事−父を恋ふる 1993年、小学館刊 500円
 ●澤地久枝・著 男ありて・志村喬の世界 1994年、文藝春秋刊 800円
 ●三木のり平・小田豊二共著 のり平のパーッといきましょう 1999年、小学館刊 1,000円
 ●第29回そごう横浜店古書籍大即売会目録 2001年、無料

 全体の印象として、映画関係の出物が多かったように思う。キネマ旬報の戦前の合本などが並んでいる。ひょっとすると地元となる松竹大船撮影所の閉鎖で関係者からの出物があったのかもしれない。
 価格も手頃で満足のいく古書市だった。本を抱えて棚を回っているとすかさずカゴを渡してくれたり、「受付で預かりますよ」と声をかけてくれたりする。このあたり、店員の顧客サービスは良質だ。棚の補充に気を取られて顧客の邪魔になる店員がみられた伊勢丹の古書市との違いを感じた。(もっとも棚を絶え間なく充実させておくという姿勢こそ真のサービスと考えられなくもない。)

 これだけ古書を購入するととてもではないが自宅まで抱えて持って帰るというわけにいかない。これらの古書はすべてカウンターで自宅配送をお願いしている。送料は700円から900円程度だ。以前はこのサービスを知らなかったため、重い荷物を抱えて帰ったものだが、使わない手はない。配送の日数も早く、2日程度で到着する。配送伝票の書き方で各古書市の取り扱いの違いに気づいた。伊勢丹は配送伝票とは別に明細書を用意し、そこに一件ずつ書名を手書きで書き込む。安い本であっても一つずつ律義に書き込んでくれる。受付カウンターではかなりの手間になっている。今回廻った古書市でこの方法をやっているのは伊勢丹だけだった。他の古書市は配送伝票の本票に単に「古書 ○冊」と書くだけ。デパート古書市の代表格でノウハウがある伊勢丹古書市らしい対応だと思った。配送していただくこちらにとっては伊勢丹のやり方が丁寧でいいと思うが、あれだけ面倒だと気軽に配送を頼みにくいかもしれない。

★川口そごう「第15回大古本市」(埼玉県川口市)
 横浜を発ったのは11時30分。その足でJR川口に向かう。
 川口に着いたのは12時30分ごろだっただろうか。川口といえば昔、映画「キューポラのある街」で知った町だが今の駅前にはその片鱗はない。10年ほどまえ、学生の頃に来たときことがあるのだが、その頃から比べてもずいぶん変貌したように思う。
 横浜は雨模様だったのに埼玉県のこちらは降っていない。駅からデッキをわたるとそこが川口そごう。横浜そごうよりちょっと小振りだが、入り口左手にエレベータが並んでいるあたりはよく似た構造だ。

 ●原四郎・編 読売新聞風雲録 1955年、鱒書房刊 不明
 ●吉田直哉・著 テレビ、その余白の思想 1973年、文泉刊 500円
 ●別冊1億人の昭和史 昭和流行歌史 1977年、毎日新聞社刊 900円
 ●別冊1億人の昭和史 昭和の流行歌手 1978年、毎日新聞社刊 900円
 ●古東久人・編 相米慎二・映画の断章 1989年、芳賀書店刊 950円
 ●和田勉・著 すこぶるテレビ 1994年、岩波書店刊 3冊500円
 ●花沢徳衛・著 脇役誕生 1995年、岩波書店刊 3冊500円
 ●川本武・著 本棚が見たい! 1996年、ダイヤモンド社刊 800円
 ●五十嵐勇吉・編 松田優作伝説 1998年、ジャパン・ミックス刊 1,000円
 ●小宮豊隆・著 中村吉右衛門 2000年、岩波現代文庫刊 3冊500円
 ●鈴木尚之・著 私説内田吐夢伝 2000年、岩波現代文庫刊 3冊500円

 伊勢丹、横浜そごうと比べると規模は小さい。いわゆる稀覯本の類いはないが、その辺のスーパーで開かれている単純な古書ワゴン市の類いとは一線を画して目をひくような書目が多い。一番目をひいたのが岩波書店発行の現役本3冊500円コーナー。岩波文庫、岩波同時代ライブラリー、岩波現代文庫、岩波新書が3冊で500円で並んでいる。しかも新品同様なのだ。特定の書目が沢山出ていたりする。岩波は委託制ではないのでどこかの新刊書店が売却した可能性がある。

 古書市を終えると13時半を廻っていた。そういえば朝から何も食べていない。ぐるりと見渡しても適当なお店がない。川口そごう内の店は昼食に向いた手ごろな値段の店がほとんどない。そこで外に出て一番、目に付いたファースト・キッチンでハンバーガー等を口にした。

 この日は長いので午前の部でいったん「了」とします。

2001/08/10(金)

★今日はサイト関連の打ち合わせで東京へ。明日まで東京に滞在して開催中のデパートでの古書即売会を片っ端から制覇するのが主目的だったりする。

★まず、表向きのメインの用事であるジャストシステムさんを訪問。銀座線青山一丁目で降りるとそこはすぐにジャストシステムの入っている青山ビルヂングだったりする。
 話はあっさり終わり、あとは宿泊先のセントラルホテル東京へ向かうことに。う〜ん、青山一丁目から新宿ねぇ。銀座線で一つ戻って赤坂見附で丸の内線かなぁと思っているとなんと、青山一丁目から直接、新宿へ向かう都営大江戸線てのが出来ているんですね。便利だなぁ。東京って次から次へと新しい鉄道が建設される。
 宿泊先のセントラルホテルは新宿駅のすぐ近く。これは便利だ。ただちょっと部屋は狭めだねぇ。ま、仕方ないかな。

★新宿伊勢丹古本市(東京都新宿区)

 ホテルに荷物を置くとすでに時間は17時少し前。早速、目的の古書即売会のひとつである新宿伊勢丹で開催されている「新宿伊勢丹古本市」に向かう。
 数あるデパート開催の古書即売会・古書市の中でもこの新宿伊勢丹の古書市はその代表格のような存在。日本中の古書収集者で知らない者はいないといわれるほど有名な古書市だ。私はまだ行ったことがなかったので今回は少しワクワクしていた。だが果たしてテレビドラマ、芸能関連でめぼしい収穫があるかどうか、ちょっと心配であった。老舗の古書市だけにそうした新興のジャンルの本が少ないのではないかと思ったのだ。結果からいうと心配は杞憂だったことになる。以下のとおり、スバラシイ収穫を得ることができた。

 ●日本テレビ放送網社史編纂室・編 大衆とともに25年 沿革史・写真集二冊 1978年、日本テレビ放送網刊 8,000円
 ●藤田弓子・著 肩に三〇の空をのせて 1981年、大和書房刊 300円
 ●ビデオ・リサーチ・編 視聴率の正体 1983年、廣松書店(発行)、星雲社(発売)刊、2,000円
 ●伊東弘祐・著 ブラウン管の仕掛人たち 1983年、日之出出版刊 1,500円
 ●三國連太郎・著 俳優X君への手紙 1985年、明石書店刊 1,300円
 ●ハナ肇・著 あっと驚くリーダー論 1985年、主婦と生活社刊 1,500円
 ●笠智衆・著 俳優になろうか 1987年、日本経済新聞社刊 500円
 ●江上照彦・著 テレビドラマ事始め 1989年、教育社刊 870円
 ●澤田隆治・著 上方芸能列伝 1993年、文藝春秋刊 800円
 ●樋口敬二・監修 人物で語る東海の昭和文化史 1996年、風媒社刊 500円
 ●小澤僥謳・著 火宅の人・俳優小澤栄太郎 1996年、角川書店刊 800円
 ●北村和夫・著 役者人生・本日も波瀾万丈 1997年、近代文芸社刊 400円

 さすが人気・評価とも高い古書市だけあってテレビドラマ、芸能関連本の充実も見事なものであった。この中でも「大衆とともに25年」は日本テレビの社史で以前から欲しかった本だけに大きな収穫となった。8,000円とは高い気もするが、以前購入した毎日放送、朝日放送の社史がいずれも1万円を超えていたことを考えると安いと思った。
 (ところが、翌々日12日にgoogleでネット上を検索したところ、5,000円で売っているネット店が見つかってしまった。う〜ん、ちょっと複雑な心境だ。まぁ本の状態が分からないので良しとしようか。)
 あと、三國連太郎の本は以前、関西の古書店で高額の値が付けられていたので、今回は収穫だなぁと思ったが、実は翌日まわった小田急の古書市にもこの本が置かれていて私が買ったのと同じ値段が付けられていた。しかも私が買ったものよりも美本だった。(ただしオビなし)これもちょっと複雑な心境だったりする。
 有名な古書市だけにどこかで見たような評論家の顔も見られた。

 さて、伊勢丹での猟書を終え、ホテルに戻るともう18時を過ぎていた。19時からは「テレビドラマデータベース」でご活躍の諸氏と歓談する予定になっている。部屋で少し一服してから会場へ向かう。場所は前2回のオフ会で使用した梟門(きょうもん)というお店。もともとは小松克彦氏が教えてくれた店だ。

 会場ではもう旧知のような方々と楽しい会話に花が咲いた。
 少し遅れて来て下さった小松克彦氏から執筆している雑誌をいただいた。

 ●旅 2001年9月号(JTB刊)

 小松氏はテレビドラマ本や演劇に関する仕事を手がける以前からガイドブック、紀行文にも執筆を行っておられた。一見、全く異分野の仕事のように思えるが、考えると芝居というものは本来、旅につながるものであるから、共通性も感じられてくる。小松氏の文体はこの種の紀行文にも合っていることが分かる。

 集いの方は、二次会をもって一応の解散となった。あまりにゆるゆると話ながら帰路についたため、新宿駅で目の前で自動券売機の電気が消えてしまった。終電がすんでのところで出てしまったのだ。女性の皆さんはやむを得ずタクシーで帰られました。

 タクシーを見送り、ホテルに戻って、家から読書用に持ってきた本を繙いてみた。先日、購入した井上ひさし「ブラウン監獄の四季」をベッドで横になりながら読んでいると、な、なんと、鼻毛が2本、出てきた。しかも紙に植え付けられたようにのびている。う〜ん、気持ち悪い。一気に読書意欲が失せてしまった。おまけに裏表紙の内側にブックオフの値札が残っていた。なんとブックオフの値札には400円の文字が!おいおい、私が買った古書価は1,000円だよ。まぁ前の値札が残っているのは古本ではよくあることなのだが…。

 というようなことがあり、一挙に読書意欲は失せて就寝することに。時刻は深夜3時半だった。皆さんは無事帰れたのかなと思いながら眠の底に。さて明日はたっぷり猟書するぞと。

★ということでうつらうつらしながら翌日の猟書ルートを頭の中で確定させた。なにせ明日中に首都圏で開催中のデパート古書即売展を一挙に制覇しようと思っているのだ。念入りに考えてみた。その結果、次のようなルートを結論とした。

 新宿駅(セントラルホテルチェックアウト)
  ↓(JR山手線)
 品川駅
  ↓(京浜急行電鉄)
 横浜駅
  ↓(徒歩)
★横浜そごう(第29回古書籍大即売会)
  ↓(徒歩)
 横浜駅
  ↓(JR東海道線、JR京浜東北線)
 川口駅
  ↓(徒歩)
★川口そごう(第15回大古本市)
  ↓(徒歩)
 川口駅
  ↓(JR京浜東北線、埼京線)
 新宿駅
  ↓(徒歩)
★小田急百貨店(古本掘り出し市)
  ↓(徒歩)
 新宿駅
  ↓(JR中央線)
 荻窪駅
  ↓(徒歩)
★ブックオフ荻窪駅北口店
  ↓(徒歩)
★象のあし(古書店)
  ↓(徒歩)
★ささま書店
  ↓(徒歩)
 荻窪駅
  ↓(JR中央線、地下鉄東西線)
 高田馬場駅
  ↓(徒歩)
★キノコノクニヤ書店
  ↓(徒歩)
 高田馬場駅
  ↓(JR山手線)
 新宿駅

 いかがだろうか。考えてみただけでも強行軍が予想されるルートだ。東京から神奈川に行き、さらに埼玉県まで行ってから都内をまわるというこのルート…。果たしてこの予定どおり行くかどうか。ちょっと心配。

 今回の古書店めぐりの「デパート古書市制覇」以外の目的としては、荻窪駅のささま書店に行ってみるということが挙げられる。この書店は古書関係の執筆が多いフリーライターの岡崎武志氏があちこちでココの100円均一本の棚を推奨しているので一度行ってみたくなった。
 このささま書店に関する情報をネットで集めた結果、古書に関する好サイトが見つかった。「百円本情報」のページ」がそれ。なかなか貴重な情報が載っているが、ここでささま書店と共に紹介されている荻窪駅付近にある「象のあし」、「ブックオフ荻窪駅北口店」、高田馬場にある「キノコノクニヤ書店」も今回併せて行ってみることにした。さて、どうなることやら。

2001/08/07(火)

オヨヨ書林(東京都国立市)

 土曜日に注文を出したネット上のオヨヨ書林から書物が届いた。

 ●「週刊TVガイド」1982年11月6日号 臨時増刊 テレビ雑学事典 1982年、東京ニュース通信社刊、1,000円
 ●和田勉「ドラマ人間テレビ語り」 (講談社1980年) 1,000円
 ●井上ひさし「ブラウン監獄の四季 テレビ時代回想」(講談社1977年) 1,000円

 いずれもわりと状態のよい本で、その上内容的にも貴重。「ブラウン監獄の四季」は井上ひさし氏の放送作家時代の状況を語っている貴重な本でした。文庫化もされているけれど版元品切れの模様。
 今後もチェックしていきたい書店がひとつ増えました。

2001/08/06(月)

★土曜日に注文を出したネット上のオヨヨ書林から在庫アリとのメール連絡。当サイトをご覧下さったそうで、激励のメッセージを添えて下さっていた。ありがたい。

★神保町の中野書店から「古本倶楽部」第122号が送られてきた。今回は「在庫だより」のためページ数は少なかった。
 目録を送ってもらうようになったきっかけは、1年ほど前に「全国古本屋地図」をこの店の店頭で購入したことであった。マンガ等サブカル方面でも有名な同店だが、マスコミ、芸能も得意分野としている。丁寧に毎回、目録を送ってくださっているのに一度も注文を入れる機会がない。ジャンル的に近いのに不思議なこともあるものだ。ストレートなテレビドラマ関連本が出てこないことも一因のようだ。それにしても目録を送ってくれなくなるのではないかと心配している。なにか注文を入れないと。

★さて夏の古書即売会シーズンが到来。確認済みの今月、東京・大阪の百貨店他で開催される古書即売会は以下のとおり。

 ●東京およびその近郊
   8月3日〜8日 京王百貨店新宿店 第51回東西老舗大古書市
   8月7日〜12日 横浜そごう 第29回古書籍大即売会
   8月7日〜13日 川口そごう 第15回大古本市
   8月8日〜13日 新宿小田急百貨店 古本掘り出し市
   8月9日〜14日 新宿伊勢丹古本市
   8月24日〜29日 東急渋谷 第7回古本市

 ●大阪およびその近郊
   8月11日〜16日 京都下鴨神社 第14回納涼古本まつり
   8月15日〜20日 西武百貨店八尾店 第7回夏の大古本まつり

 このうち何軒かはひやかし半分で来訪するつもりだが、果たしてテレビドラマ関連書にめぼしい出品はあるのだろうか。もともとテレビドラマ関連の書物はまだまだ収集対象としている人が少なく、しかもテレビドラマの放送がはじまったのが1953年だからそれ以降の出版物が中心となる。
 これらの事情から本格的な古書市には出てこない可能性が高い。むしろ古書店の店頭に雑然と並ぶ中に掘り出し物が見つかることが多いように思う。

★このコーナーを設けて早速何通か反響のメールをいただきオドロキました。継続は力なりということで更新頻度は今後は段々と減っていくと思いますがいつまでも長続きするコーナーにしたいと思います。

2001/08/05(日)

★今日はクルマでブックオフ4店(大阪泉佐野羽倉崎店、泉南店、堺陵南店、新金岡店)を巡回。今回で大阪府下のブックオフの淀川以南は全店来訪したことになる。
 このうち、堺陵南店、新金岡店は今回が2度目の来訪となる。伝聞情報ではブックオフで通常価格のところにある本で売れない場合、3ヶ月程度で100円均一本コーナーに流れていくとのこと。(あくまで推測)したがって3ヶ月以上間を空けて来訪するようにしている。
 どこの古書店でもそうだが一度来訪するとその時点でその店にある自己の収集対象の書物は全部漁ることになる。したがって、その段階でその店のすべての棚は枯れてしまう。ここに再びあたらしい書物が入って自分の収集対象の書物が棚に繁茂するまで、次の収穫は間隔を開ける必要があるのだ。このスパンが私の場合、最低3ヶ月ということになる。

★ブックオフ大阪泉佐野羽倉崎店(大阪府泉佐野市)

 りんくうタウンに近いこの書店は当初あまり期待していなかったが予想以上に収集対象の書物が充実していた。店はやはり閑散な土地柄で比較的すいていたように思う。その分、品揃えはよいものが多く、今回入手した「NHK大河ドラマ・ストーリー 北条時宗 後編」などはまだまだ新刊書店店頭を賑わしている書物である。それが200円で何冊も置かれてあった。また100円均一コーナーも充実していておすすめの店。
 ただ入手した書物に表紙の汚れが気になるものが若干含まれていたのはちょっとブックオフらしからぬ状況だった。あと駐車場の入口が狭くてやや入りにくい。

 ●NHK大河ドラマ・ストーリー 北条時宗・後編 2001年、200円
 ●わが青春のとき 倉本聰・著 1982年理論社刊 100円
 ●倉本聰コレクション5 6羽のかもめ 倉本聰・著 1983年、理論社刊、100円
 ●倉本聰コレクション6 ガラス細工の家 倉本聰・著 1983年、理論社刊 100円
 ●大阪名物・テレビ漬 オフィス元気・著 1998年、青心社刊 100円
 ●CM業界ひと模様 岸上豪・著 1989年、リベルタ出版刊 100円
 ●NIPPONアイドル探偵団'96 北川昌弘+TPランキング・編著 1996年、宝島社刊 100円
 ●古畑任三郎大事典 古畑任三郎研究会・編 1996年、フジテレビ出版刊 100円

★ブックオフ泉南店(大阪府泉南市)

 先の羽倉崎店から8キロほど南下したところにあるブックオフ。訪問時、店内の客は多く活況であった。その反面、先ほどの羽倉崎店とは打って代わって収集対象の書物が少なかった。また100円均一コーナーが少なすぎた。

 ●季節が変わる日 山田太一・著 1982年、大和書房刊 100円
 ●倉本聰コレクション27 祭が終ったとき(1) 倉本聰・著 1985年、理論社刊 100円
 ●さらば愛しきひとよ 武田鉄矢・著 1990年、集英社文庫刊 100円

 このうち、「季節が変わる日」はすでに所有しているような気もしたが100円ということで念のため入手した。最近、ブックオフには倉本聰、武田鉄矢の本がよく出回っているがこの店も同様で、倉本本、武田本をそれぞれ1冊ずつ入手。

★ブックオフ堺陵南店(大阪府堺市)

 二回目の来店。広い店内でコミックが充実。前回来訪時にたくさん並んでいたNHK大河ドラマのムック本がすべて消えている。あまり収穫はなかったが橋田壽賀子・著「こころ模様」は存在を認識していなかった著書。このうち目黒考二「活字三昧」は帰宅後パラパラと見たところ、すでに読んだことがある気配。たぶん文庫本で入手ずみなのだろう。

 ●こころ模様 橋田壽賀子・著 1985年、毎日新聞社刊 100円
 ●浅野ゆう子Fashion Book 浅野ゆう子・著 1989年、主婦の友社刊 100円
 ●活字三昧 目黒考二・著 1992年、角川書店刊 100円
 ●京都 影の権力者たち 讀賣新聞京都総局・著 1994年、講談社刊 100円

★ブックオフ堺新金岡店(大阪府堺市)

 ここも二度目の来店。私がはじめて訪れたブックオフがここ。会員カードもここで作った。前回はあまり大した収穫がなかったのだが、4ヶ月ぶりの来店で予想以上の収穫があった。
 大量の向田邦子本が100円棚に並んでいたので、大和書房刊のシナリオ本を入手した。文藝春秋他から刊行された向田邦子のエッセイ、小説本も並んでいたがこちらは文庫でも入手可能なため今回は見送った。このほか、「倉本聰コレクション」も大量に並んでおりこれらを入手。ひょっとしたらすでに入手済みのものも含まれているような気がするが念のため購入した。
 井上ひさし「本の運命」は文庫で入手済みだが図版がおおい単行本ということで今回、再入手した。

 ●ひと恋しくて 余白の多い住所録 久世光彦・著 1998年、中公文庫刊 100円
 ●ひばり自伝 わたしと影 美空ひばり・著 1971年、草思社刊 100円
 ●向田邦子TV作品集1 阿修羅のごとく 向田邦子・著 1981年、大和書房刊 100円
 ●向田邦子TV作品集4 家族熱 向田邦子・著 1982年、大和書房刊 100円
 ●向田邦子TV作品集5 蛇かつのごとく 向田邦子・著 1981年、大和書房刊 100円
 ●倉本聰コレクション1 前略おふくろ様 PART 1(1) 倉本聰・著 1983年、理論社刊
 ●倉本聰コレクション2 前略おふくろ様 PART I(2) 倉本聰・著 1983年、理論社刊 100円
 ●倉本聰コレクション3 前略おふくろ様 PART II(1) 倉本聰・著 1983年、理論社刊 100円
 ●倉本聰コレクション4 前略おふくろ様 PART II(2) 倉本聰・著 1983年、理論社刊 100円
 ●倉本聰コレクション8 幻の町 倉本聰・著 1983年、理論社刊 100円
 ●倉本聰コレクション20 あにき 倉本聰・著 1984年、理論社刊 100円
 ●本の運命 井上ひさし・著 1997年、文藝春秋刊 100円

 自宅に帰ると、「新・源氏物語」からメールが届いていた。それによると、古書湧水館が目録を更新し、テレビ史関係が増加したとのこと。古書湧水館については以前、テレビドラマおよび演劇関連の書物をネット上で購入したことがある。その際も丁寧な対応をしていただき、今後テレビ関係の書物が入ったら目録に載せましょうという趣旨のことをおっしゃってくださっていた。今回のテレビ史関係書の増強はそのためなのだろうか。いずれにせよ映画、テレビ、演劇関連の古書を探すならこの古書店のサイトは見逃せないだろう。

2001/08/04(土)

★ブックオフ東大阪布施太平寺店(大阪府東大阪市)

 クルマでブックオフ東大阪布施太平寺店へ。
 全体にマンガ本が多く100円均一コーナーがやや貧弱で成果は乏しかった。

 以下、いずれも100円
 ●相楽晴子「素直でいたいネ。」(講談社1992)
 ●つかこうへい他「殺し文句の研究」(読売新聞社1985)

★自宅近くの新刊書店で「日経エンタテイメント」新号を見かける。
 表紙に「90年代ドラマベスト20」なる企画をみかけ中身を確認するが購入せず。

★ネット販売
 オヨヨ書林のホームページにて3冊、古書発注

 ●和田勉「ドラマ人間テレビ語り」(講談社1980) 1,000円
 ●「週刊TVガイド」臨時増刊 テレビ雑学事典(東京ニュース通信社1982)
 (TVマン100人インタビュー/視聴率、山田太一、CM、特殊美術、小道具、川谷拓三、ひょうきん族、タイムキーパー、欽どこ他) 1,000円
 ●井上ひさし「ブラウン監獄の四季 テレビ時代回想」(講談社1977) 1,000円(少ツカレ)


※当コーナーではドラマ関連出版物を順次、掲載してまいります。また、当サイトをご紹介いただいた書籍も順次、ご紹介しています。
 掲載をご希望の方はページ作者まで該当書籍を1部ご恵送ください。送付先はページ作者宛メールにてご照会願います。

 本欄に掲載した書籍のうち絶版または品切れの書籍については版元へお問い合わせいただいても在庫がありません。古書店、図書館等で内容にあたって下さい。

 掲載の書籍はいずれも当サイト作者の蔵書を紹介していますが、「テレビドラマデータベース」作成のための貴重な基本図書であるため、貸与・複写等のご依頼には応じかねます。ご了承願います。


テレビドラマデータベース トップページ

無断転載はご遠慮ください。リンクはご自由に。

Copyright Furusaki Yasunari 2001

mailto:furusaki2001@hotmail.com