| 一体、お前らの暮らしは、なんだ!
どうせ、どっかに勤めるか? 人間てものはな、もっと素晴らしいもんだ 自分に見切りをつけるな 人間は、給料の高を気にしたり、電車がすいてて喜んだりするだけの存在じゃあねえ その気になりゃあ、いくらでも深く、激しく、ひろく、やさしく、世界をゆり動かす力だって持てるんだ 偉大という言葉が似合う人生だってあるんだ あんな親父と似た道を歩くな! 自分をみがくんだ。世界に向って、俺を重んじよ、といえるような人間になるんだ。 適当に生きるなんてことを考えるな。体裁のいい仕事について、女房貰って、子供つくって、平和ならいいなんて、下らねえ人生を送るな 奴は一遍でも、自分の魂の安っぽさに悩んだことがあるか? 少しでも、魂を豊かにしようと、自分をきたえたことがあるか? 悩んでることは、月給だの身体の調子だの、天気の具合なんてことばっかりだろうが
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『早春スケッチブック』(山田太一・脚本)第8回より
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