テレビドラマデータベース
TV DRAMA DATABASE
| 役者魂!(2006/12/27) |
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そもそも君塚良一氏ほどの大御所になればご自身の作品世界を自由に描いていただければいいわけで個々の作品の出来不出来をあまり云々しても仕方ないのかも知れません。ただこれはちょっと看過できない出来映えではないかと。
このドラマを観ているとつくづく思い知らされるのが、君塚良一氏はフジテレビにとって極めて重要な人物なのだなということです。恐らくは『踊る大捜査線』およびその関連作品の映像化に関する許諾権を握っているのでしょう。君塚氏のご機嫌をそこねては大変なことになりますから、君塚氏が連続ドラマを書きたいといえば特段の事情がない限り放送枠を用意してくるような状況なのかもしれません。今回はキャスティングも君塚氏の希望がかなり優先されたとか。
で、こういう環境下に置かれれば作家としては自分自身の描きたいものが描けるようになるわけで一見すると理想的な創作環境が提供されているかのように見えるのですが実はそうではないのが皮肉なところでしょう。何を書いても許されるという、局側とのなれ合いのような、緊張関係が希薄な創作環境、評判が悪くても放送回数の短縮すら言い出さない局側、というヌルヌルの関係はむしろテレビドラマの作家にとっては堕落を招くということなのかも知れません。ひょっとするとテレビドラマの活気は作家個人の描きたい事柄をいかに視聴者からのニーズに合わせながら巧妙に盛り込んでいくか、というところでのギリギリのせめぎ合いから生まれてくるものなのかも知れません。現在のフジテレビと君塚良一氏との間にはそういう緊張関係は生まれ得ないのでしょうね。残念ながら視聴者の目というものを意識するプロセスがかなりの部分欠落していたと言わざるを得ません。
こんなドラマに枠を用意するぐらいなら新進のドラマ作家に冒険心あふれる作品を描いてもらうとか、地道に頑張っている下積みの作家に自由に書いていただきたいものです。描き手自身から短縮を申し入れるべきぐらいではなかったのでしょうかね。
初回放送のあと、本作を絶賛した発行部数1位の大新聞はどう申し開きをするつもりなのでしょう。テレビドラマ批評に関しては一家言持っている新聞、との評価が一般的だったのですが、これでは面目丸つぶれ。第1回を観た者としてあれをどうみればああいう評価が出来るのか。首をかしげたくなります。テレビを見ない上層部のノーチェックをいいことに好き放題書き放題の若手の記者たちの無法地帯となってしまっているのでしょうか。まさかとは思いますが、ミスを覆い隠すべく今後も名作などと強弁するのではないかと危惧しております。
(初出:2006/12/27 web「テレビドラマデータベース」新作掲示板)
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