「恋の定義」を模索する、年の差恋愛未満ストーリー。元子（橋本愛）は大学院でドイツ文学を学んでいるが、恋愛経験がなく、学生たちの恋愛談義などに溶け込むことがまったくできない。劣等感を感じる元子に教授の榊（田中泯）が「君の日本語は美しい」と言い、元子の心は榊にたいして動き始める。元子は「この感情は恋なのでは？」と思い、自分の感情を分析しようと努める。果たして元子が出す結論は…？【以上、NHK広報資料より引用】「60代の大学教授を好きになってしまった女学生のドラマである。センセーショナルな描き方がされそうな素材を、ＮＨＫならではの静的で格調高いトーンで映像化した。心の中にある壁を突き破れるかどうか、内面で葛藤し続けるドラマというのは、ドラマ展開が膠着状態になりがちで失敗の危険が高い分野だが、物思いにふけるヒロインの心象風景を丁寧に描くことで見る側を巧みに引きつける。描かれるのは永遠に何かが欠落したものがある恋である。死という別れがすぐ近くに横たわっている。そこを描くことで人生のはかなさを裏テーマに据える作品となった。去られる側の辛い思いも、去りゆく者の悲しさをこんな穏やかな静謐とした中で描くと胸の奥の方にまで染み込んでしまう。よくもここまで気持ちの深いところに感じ入らせてしまうドラマを作ってくれたのかと思わせてくれた。【この項、文：古崎康成（雑誌「月刊「ドラマ」」2019年８月号より引用）】」【その他のクレジット表示】撮影協力：小山町フィルムコミッション(1)(2)(4)、ロケ応援団富士宮(2)。【各回サブタイトル】第１回「これは恋だと思うのですが」、第２回「嫉妬など無くせはしない」、最終回「恋は一本の鎖」。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成(1)-(4)）】