いすゞ自動車提供の単発ドラマシリーズの一本。放送期間は1964/10/06～1965/01/05。当時広島県備後府中町の中学校の音楽教師でジュニアオーケストラの指揮者でもあった山口和彦氏が著した自叙伝のドラマ化。ドラマ化の経緯が本作の制作協力をつとめたRCC（中国放送）に所属していた新井俊一郎氏が自著で記している。「それからほどなく、でした。NTV日本テレビからRCCに連絡が入って来たのです。山口和彦先生が、いつの間にか書きためて出版していた自叙伝「わが歌は高原に」をテレビ映画化したい。ついてはRCC関連部分のロケなどで、ご協力を戴きたいとの申し入れでした。会社は快諾しました。ということは、私が忙しくなるということでした。1963年秋、ロケ隊が乗り込んで来て、ジュニアオケの演奏会の場面を見真講堂で撮影するという事になりました。脚本などすべてがNTVにより手早く準備されておりました。主人公の山口先生役は鈴木瑞穂さん。配する美人女優は中原早苗さん。舞台は、とある地方の民放ラジオ局。そこの美人ディレクターが陰ながら主人公の先生を支えるという設定だから、私が中原早苗さんのモデルという訳なんですね。当然ながら、ほのかな恋物語に発展する映画なんですが、ロケ場面では当の本人が美人ディレクターではなく、録音機材を操作するミキサー役で出演しましたよ。映画は1964年１月８日、日本テレビから全国放送されました（※注：この放送日時は誤り。正しくは1964年11月３日）。何となく奇妙な気分でしたね。【この項、書籍「新井俊一郎オーラル・ヒストリー　ヒロシマで被爆全滅を免れた中学校１年生だった私は当日入市被爆者です」（2022年３月30日発行、著者：新井俊一郎、広島大学文書館・75年史編纂室発行）より引用】」