中学校の若い女教師・桐田友恵（原知佐子）が、校長を殺した疑いで起訴された。受け持ちの不良少女・北原令子（後藤るみ子）をめぐって校長と対立、彼を階段から突き落としたというのだ。弁護を引き受けた岸本（仲谷昇）は、その争いのもとになった北原令子と友恵の関係から調べ始めた。令子は不幸な家庭の子で、盗癖を持っていた。校長は他の生徒への影響をおそれて、令子の退学を主張、担任の友恵は、それに真っ向から反対していたのだ。友恵の父・慎介（信欽三）は、やはり中学校の校長だった。彼は娘の事件については批判的で、彼女を教師にしたのは間違いだったという。それに対して友恵は、意外な事実をつきつけた。事件のきっかけとなった令子は、かつて慎介が自分の出世のために職を奪った北原教師の娘だというのだ。北原は不遇のうちに死に、その娘が生活苦からぐれたとすれば、罪の一端は慎介にもある。さらに裁判の日に意外な証人が現われた。当の令子が、友恵と校長が階段の上で争っているのを目撃したと言い出した。【以上、読売新聞1965/8/18付より引用】【役名（演技者）】弁護士・岸本昇（仲谷昇）。