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ドラマ 詳細データアチャコのどっこい御用だ

花菱アチャコ初のテレビレギュラー出演番組。演出を手がけた澤田隆治が後年、本作に触れている。「花菱アチャコの岡っ引の親分浪花屋長兵衛に子分の白木みのる、吉本コミカルスの座長・笑福亭松之助に横山アウト、平参平などなど、つまり吉本オールスターの出演だった。私は花菱アチャコ主演のコメディを演出することにより、御大と呼ばれる大スターから多くのことを学んだ。もっとも、30歳にもならない私のような若いディレクターに演出を担当させるテレビというメディアにアチャコはいらだちを隠さなかった。その結果毎週演出にクレームがついた。セットの都合で入口が下手にあって、アチャコの御用聞きの親分が入ってくるなり喋るという場面で、下手のままでセリフをお願いすると、「主役は必ず上手に位置してから喋るもんや」とダメが出る。そこで「なんじゃい、なんじゃい、どうしたというんや」といいながら入ってきて上手へ廻るという芝居をつけなおすということになるのだが、そのおかげでカット割りは全面変更になってしまうのだ。アチャコは曽我廼家五郎の芝居に傾倒していたから、アチャコの演出論は五郎劇を原典としていた。舞台の演出のイロハも知らず、映画を教師としてテレビの世界に入ってきた若いディレクターに舞台の作法を教えるという作業を、彼はへこたれもせず、ボヤキもせず丁寧にやってくれた。「主役はアチャコや」が全てであった。ころんでいれば笑いがとれるので「吉本コケカルス」といわれていた吉本のコメディアンの代表だった平参平に、私がアチャコより先に出てころんで笑いをとる演出をつけたりしていると必ずクレームがついた。「澤田はん、ころんで笑いをとるんやったら、わしがころんだ方が客はよう笑いまっせ」アチャコが出てくるまでアチャコ以上にうけてはいけないのだ。主役とはそういうものだし、観客はアチャコをみたくてやってくるのだ。その観客の気持を裏切らないためにも、アチャコは最もおもしろくなくてはいけないのだ。アチャコは私に『アチャコのどっこい御用だ』を通して「主役は守られなければならない」という作劇法を教えてくれた。私は一つ一つ具体的な勉強をしながら、いつも「これでいいのだろうか」と考えた。喜劇はどんな場合でも笑えるから喜劇なのだ。笑えることならどんなことでもやるべきではないか、そのために笑いのボルテージが上って、主役の笑いのパワーを上まわってしまう場合はそのタレントが主役である。劇場にいって観劇をする喜劇と違い、茶の間にダイレクトに入ってくるテレビというメディアでは、視聴者は残酷である。こちらの事情などわかってくれない。一分でもつまらなければ、チャンネルを替えてしまうのだ。主役だからおもしろいのではなくて、一番おもしろいから主役なのだ。おもしろくないヤツはテレビから去らねばならないのだ。主役は守られるものでなく、積極的に奪いとるものである。こうした私の攻撃的な演出法はアチャコのおかげで身についた。それが許され認知されたのは、私がテレビの演出家であったからに違いない。テレビというメディアは常に食欲なのだ。その後、『アチャコのどっこい御用だ』で自らの作劇法をつらぬいたアチャコは、藤田まこと、香川登枝緒、そして私のトリオがつくった『てなもんや三度笠』にテレビの主役の座を奪われ、その苛酷な戦いに勝ちぬいた藤田まことは、『てなもんや三度笠』の主役で頂点に立ち、「おもしろいから主役」という私の理論を実証してくれた。【この項、文:澤田隆治氏(澤田隆治著「戦後メディアと笑芸」(2015/05/22、メディアクラフト牡牛座刊)より引用】」
キー局 ABC 放送曜日 放送期間 1961/03/26~1962/04/29
放送時間 18:00-18:30 放送回数 58 回 連続/単発 連続
主な出演 花菱アチャコ横山アウト白木みのる平  参平笑福亭松之助初音 礼子藤田まこと林 美智子
主な脚本 香住 春吾香川登志緒香川登枝緒
主な演出 澤田 隆治沢田 隆治
局系列 JNN
制作会社 ABC

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