警視庁科学捜査研究所特別職・犯罪交渉人の野々村ゆり子（市原悦子）のもとに、男が病院に立てこもっているという連絡が入った。男は、以前その病院に勤めていた妻の久江に会わせろと主張して、ナース・ステーションに押し入り、六人の看護婦を人質にとっていた。ゆり子が現場に到着した時には、警視庁特殊班SITが病院の周囲を取り囲んでいた。科学捜査研究所・臨床心理学者の夏目美樹（大島さと子）は、立てこもり犯をプロファイリングし、人格や考えを分析しようと試みる。その報告を聞いたゆり子は、レスキューホンを使って、犯人に語りかけた。だが、犯人は自分を板東と名乗ったものの、「久江を連れてこい」と怒鳴るだけで電話を切ってしまう。小一時間後、病院のロビーに、捜査員に囲まれて、板東の妻・久江（小林香織）がやってきた。特殊班係長の戸塚啓太（松井範雄）は、久江に廊下から呼びかけてもらい、隙を見て突入しようと主張する。しかしゆり子は、近親者の交渉は冷静さと客観性を欠き、事態を混乱させるだけだとして、戸塚の意見に反対する。ゆり子は喉が渇かないかなどと板東にさかんに話しかけ、犯人を落ち着かせようと試みる。交渉が長期化しそうな様子から、病院では入院患者を別の施設へと移送しはじめた。その中には、出産を間近に控えた妊婦の姿もあった。夕方になって、ゆり子は食事の後、交渉を再開し、投降に持ち込むことを決意する。警視正の内舘紀雄（柴俊夫）は、ゆり子の作戦がうまくいくことをいぶかしがるが、現場の指揮をとる捜査一課の植木研作（塩見三省）は、ゆり子にすべてを任せるのだった。車輌・ユニバース・ポイント、日本照明。劇車輌・インペリアル。ロケ協力・NIKKO PALACE HOTEL太田、太田市・伊藤産婦人科、府中市美術館、佐々木動物プロダクション、大泉町・くどう歯科クリニック、高円寺庚申通り商店街。地上波では、TX系にて2001/06/13、水曜20:54～22:48放送。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】