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血と虹
ビルマ派遣軍が壊滅の危機にさらされていた敗戦直前のころ、ビルマ山中のある捕虜収容所を舞台に、戦争がいかに人間性を無視し、狂人化してゆくかということを訴えようとする。【以上、朝日新聞1960/04/01付より引用】「ラジオ東京テレビでは4月1日夜10時から放送の「テレビ劇場」に1時間半の大作『血と虹』を出す。これは芸術祭シーズン以外にはあまり見られないような一級作品をふだんに出して、テレビドラマの質的な向上をはかるというねらいから企画されたもの。『血と虹』は、いま上映中のドイツ映画「橋」の日本版をねらった。戦争ドラマで、外人タレントが23人も出るし、テレビとしては相当思い切ったドライな演出も試みられる。テレビで1時間半のワイド・ドラマといえば珍しい。芸術祭以外では、昨年のナイターシーズン中に2、3本あったぐらいのもの。ラジオ東京テレビでは、これを機会に毎週金曜日の夜10時から放送している「テレビ劇場」の時間でこれから向こう1年間にワイド・ドラマを4回くらい放送する計画を立てている。最近はテレビ・ドラマの表現者の目もこえてきたし、制作者側の力も備わってきているので、いまなら質量ともに充実したワイド・ドラマを出せるというのが企画のねらいである。作品の内容も特定の対象をねらった実験的な意欲作で、そのためには「家庭の茶の間」の聴視者から一部ソッポを向かれても構わないという。第1回作品としてとりあげる『血と虹』は猪俣勝人、柴英三郎、岡本愛彦三氏の合作になる書き下ろしドラマ。これは敗色濃いビルマ戦線で実際にあったエピソードをいくつか寄せ集め、ドイツ映画「橋」にヒントを得てまとめたもの。インパール作戦の失敗で南方派遣第十四軍は壊滅的な打撃を受けた。陸の孤島のような密林中の「ビルマ臨時第二俘虜収容所」は英印軍に包囲されてしまう。そこに残っている人間は、川岸中佐(三津田健)を所長とする5人の所員と、山口少尉(近藤宏)を隊長とする13人の警備隊、それに捕虜30人だ。英印軍と日本軍の対立のほか、日本側の中にも警備隊、収容所職員、捕虜の三つの人間的対立関係がある。すでに命令系統が混乱してしまっているため、かれらを支配する一番の要素は個人の意志でしかない。18人は狭い収容所を舞台に、死ぬか生きるかの極限状態に追いつめられている。演出担当の岡本愛彦ディレクターによれば「ここで18人の日本人を一人一人洗っていく。ストーリーはほとんど意味がない。テレビで許されるかぎりドライに、かれらを突き放して描き、戦争を知らない若い人たちに、戦争というものの実態はこうなんだと示すのがねらい」という。川岸中佐は後備役から引っ張り出された老人で決断力がない。佐原軍医少尉(有島一郎)はインテリ風だが行動力がない。平山通訳(神山繁)は女学校の英語教員の出身でやや人間的な気持ちの持ち主だが、これも戦場で通用するほどのものではない。田辺曹長(殿山泰司)も予備役出身の中年の男だが、機構の中で敢然と闘う力はない。おとなたちはみんな無力だ。そうした中で、士官学校を出たばかりの20歳になったかならないかという警備隊長、山口少尉が、杓子定規に「帝国軍人魂」を発揮したり、たたき上げの「殺し屋」的な白木軍曹(三島謙)が捕虜を容赦なく殺したり、血気にはやる若い連中がむちゃを強行して「おとな」の世代と対立する。野上婦長(森光子)ら3人の従軍看護婦がこの修羅場にまぎれこむ。最後は捕虜の暴動が起こり、16歳の尾形二等兵が生き残りの日本人を全員機関銃で殺したうえ、自分は敵に射殺され、女学校を出たての峰尾看護婦(岩下志麻)が発狂して終わる。救いがまったくないところが「茶の間のテレビ」を脱却する新しいところ。スタッフはこれから第四稿執筆に着手する。【この項、朝日新聞1960/03/16付より引用】」半分がVTRで半分が生放送で構成された。また同じシーンの切り返しショットでナマ放送とVTRを使用するという試みもなされたと岡本愛彦自ら語っている(「テレビドラマ」(現代芸術協会刊)1960/07月号より)。提供:三洋電機。
キー局
KR
放送曜日
金
放送期間
1960/04/01~1960/04/01
放送時間
22:00-23:30
放送回数
1 回
連続/単発
単発
番組名
サンヨーテレビ劇場
主な出演
三津田 健
、
有島 一郎
、
神山 繁
、
殿山 泰司
、
近藤 宏
、
三島 謙
、
服部 哲治
、
森 光子
、
十朱 幸代
、
岩下 志麻
、
ウイリアム・ロス
(
ウィリアム・ロス
)
主な脚本
(作:
猪俣 勝人
(
猪股 勝人
)、
柴 英三郎
、
岡本 愛彦
)
主な演出
岡本 愛彦
、(演出助手:
菅原 偀介
、
中川晴之助
、
真船 禎
、
古賀 一郎
、
並木 章
)
局系列
JNN
音楽
市場 幸介
撮影技術
(TD:
中村 利泰
)
美術
(装置:
坂上 健司
)
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