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ドラマ 詳細データサザンスコール

沖縄、東京、京都を舞台に、現代科学では解明できない色の宮古上布に秘められた、過去と現在の愛憎をミステリアスに描く。宮古島の亜熱帯の風土と、デビュー間もない葉月里緒菜(現・葉月里緒奈)が演じた、情熱的で謎めいた雰囲気をもつ少女が強く印象に残る。中年期に入った他の登場人物を突き動かす狂おしい熱情を、イメージとして具現化したかのような感があった。現代の沖縄・宮古島。下地燿子(葉月里緒菜)が祖母・下地マムヤ(平良とみ)のそばで布を織っている。と、燿子は、水の中で女(寺田千穂)が赤い布に包まれている幻想を見て、つぶやく。「やっぱり殺されたんだ」 燿子の師・沖間学(伊武雅刀)の妻で、那覇の丸越デパートに勤める八重(高橋惠子)は、東京に向かっていた。かたわらに燿子が染め、織った宮古上布をたずさえて。八重は夫の反対を押し切って、宮古上布で服をつくるという夢を実現するため、学が東京の産洋レーヨンにいたころの同僚で、いまは開発本部長の杉野隆三(根津甚八)に会おうとしていたのだ。その杉野は、他人からは、家庭にも地位にも恵まれた境遇にあるように見えていた。だが、じつは「あらゆるものが心に響かず、少しも楽しくない」と感じていたのだった。その一方で出世を望み、愛人との情事を欲し、妻と息子からの尊敬を得たいとも思っていた。一方でそういう計算高い自分にいつもうんざりしながら、ひたひたと近付く老いを自覚して暗然とする毎日を送っていた。そんな彼が目にした宮古上布。通常は絣の紺上布だが、八重が持ってきたものは縞柄だった。燿子が、涙で曇った自分の目に映った宮古の海岸の風景を、そのまま柄にしたのだという。布を手に取り、「妻以外の女のような手触りだ」と思わずもらす杉野。布だけでなく、自殺しようとしたこともあるのだという燿子にも興味をもった杉野は、宮古島に向かう。そこで再会した沖間は「下地燿子に惚れるな」と警告するが、杉野は、謎めいた雰囲気のなかに思いつめたような強い意志を秘めた燿子に惹かれてゆく。杉野と二人きりになったとき、燿子が頼み事をする。布の染料と媒染(うまく染める触媒)を教えるから、沖間に内緒で東京の保谷に連れていってくれというのだ。保谷市に好きな人でもいるのかと問う杉野に、燿子は言う。沖間を誘惑したが自分を抱こうとしなかった。抱いてくれたら保谷のことを話したのに、だから沖間に嘘を言った。燿子の母・良江(寺田)は幼いときにアメリカに行った、と。保谷に母が住んでいるのかと問い返す杉野。何も答えず歩きだす燿子。ジャングル、干潟、人気のない場所をあてどなくさまよう燿子は、ふと、一日に何度も死にたいと思う、とつぶやく。杉野はその顔をまじまじとみつめる。やがてスコールが降ってきた。雨宿りをすることになったふたりは、たがいに魅入られたかのように狂おしくキスを交わした。杉野が帰京したころ、那覇の沖間にマムヤから電話がかかってくる。燿子が家出したのだ。燿子について何事かを隠していると直感した八重は、夫をきびしく問いただすが、もともと冷えかけていた関係を悪化させてしまう。島まで会いに来た八重にマムヤは、燿子は保谷からの二十年前の書留を見つけたのだと明かす。しかしその書留の差出人は母・良江ではなく、亡霊からのものだと言う…。燿子を追って東京に来た沖間は、杉野に会い、燿子が訪ねてきたかどうか尋ねる。来てないと答えた杉野だが、じつは燿子といっしょに保谷に行くことになっていた。杉野は燿子に、その家に書留の日付までは良江が住んでいたのだろうと言うと、意外な答えが返ってくる。「おかあさんは死んだんです」 燿子には夢とも現実ともおぼつかない記憶があった。水の中で目を閉じ布に包まれた母が漂っていて、それを子どもの燿子が見ているというものだ。書留にあった住所近くの喫茶店に杉野を待たせ、一人で赴く燿子。まもなく店に燿子から電話がかかってきた。沖間が家で待っていたのだ。告げ口したのかと杉野をなじった燿子は、もう誰も信用しない、誰にもつかまらないと言い残して姿を消す。そして燿子は、京都・西合(にしごう)染料店に電話をかける。しかし主の西合宗次郎(夏八木勲)は、燿子の名に聞き覚えがないと言って電話に出ようとせず、客に笑いながら、自分はがんであり、長くて一年だと明かすのだった(第1回「赤い夢の謎」)。各話サブタイトルは以下の通り(カッコ内はルビ)。第1回「赤い夢の謎」、第2回「真紅の布」、第3回「彷徨(さまよ)う魂」、最終回「美(ちゅ)ら島の夢(「ら」は正しくは拗音・促音等と同じ大きさ)」。【以上、文・練馬大根役者】撮影協力・沖縄県那覇市(1)-(4)、沖縄県宮古島(1)-(4)。琉球舞踊指導・平良 昌代(1)(4)。織物指導・新里 玲子(1)-(4)。【データ協力・練馬大根役者】
キー局 NHK BS-2 放送曜日 月~木 放送期間 1994/10/03~1994/10/06
放送時間 20:00-20:45 放送回数 4 回 連続/単発 連続
番組名 ドラマ BSサスペンス
主な出演 根津 甚八葉月里緒菜葉月里緒奈)、高橋 惠子高橋 恵子関根 恵子)、山口 達也(1)(4)、伊武 雅刀夏八木 勲由紀さおりもたいまさこ(1)-(3)、丹阿弥谷津子平良 とみ(1)-(3)、寺田 千穂みやなおこ(1)、村崎 ゆか(1)(2)(4)、安並 利沙(1)(2)、杉坂 千波(1)、四条 寛子(2)(4)、山崎  恵(3)、水島 由理(3)、嘉数 好子(3)、前原 宏美(3)、白川 明彦(3)(4)、須永 克彦(3)(4)、宮良 康正(4)、中島 彩佳(4)、鳳プロ(1)-(4)、ビッグワンウェスト(1)(2)(4)、鳥プロ(1)(3)(4)、劇団東俳(1)(3)(4)、山本プロ(2)(4)、日本芸能センター(2)(4)、劇団ひまわり(4)、沖縄県那覇市の皆さん、沖縄県宮古島の皆さん、沖縄県南風原町の皆さん(2)、(方言指導・森下 悦子
主な脚本 竹山  洋
主な演出 菅  康弘(1)(2)(4)、西谷 真一(3)
原作 高樹のぶ子
局系列 NHK
制作会社 (制作・著作・NHK(大阪放送局))
制作 (制作統括・音成 正人(1)-(4))
音楽 日向 敏文、(三味線指導・与儀 栄功(1)(2)(4))(音響効果・巽  浩悦(1)(2)(4)、加藤 正孝(3))
撮影技術 森本 祐二(1)(3)、森地  隆(2)(4)、(技術・竹中  武(1)(3)、山本 賢治(2)(4))(編集・田中 美砂(1)-(4))(照明・河原 勝人(1)(3)、吉本 利信(2)(4))(音声・小林 健一(1)(2)、福井 清春(3)(4))(映像技術・東  広幸(1)(3)、久保田千尋(2)(4))
美術 藤井 俊樹(1)(2)(4)、加藤 隆弘(3)

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