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ドラマ 詳細データいのち

終戦後、めざましい発展を遂げたが、何かを忘れてしまった日本を、ひとりの女医をとおして描く。脚本の橋田壽賀子は本作制作時に記している。「『おしん』は私にとって、母たちの時代の生きざまを描いた〝母たちへの鎮魂歌〟であった。そのころから、母たちのドラマを書き終えたら、いつか、昭和という時代とともに生きてきた私自身の世代を書いておきたいという願いが、私をかりたてていた。昭和二十年八月十五日の終戦のとき、私は昭和と同じ二十歳で日本女子大学国文科の三年生、学徒動員されていた大阪海軍経理部で敗戦を知った。アメリカ兵がいつ上陸してくるかわからない危機感の中で、三日三晩重要書類を焼く作業に汗を流しながら、日本が負けた以上、当然生きてはいられないと自決を覚悟していた。大和撫子(やまとなでしこ)という誇りをたたきこまれてきた私たちには、なんの疑問もない決意であった。それが、一日、一日と生きのびるうちに、日本はなんの抵抗もなく進駐軍を受け入れ、私たちも死ぬことなど忘れて、いつのまにか生きることに執着しはじめていた。が、家を空襲で焼かれ、住むところも食べるものも着るものもないみじめな敗戦の暮らしの中で、四十年後の今、こんな豊かな時代が来るなんて、だれが想像できただろうか。あのときのことを振り返ると、私は今でも、ふと夢をみているんじゃないかと思うときがある。あのころ、テレビなんてものがあることも知らなかったのに、テレビドラマを書いて食べていることだけでも、不思議でならない。終戦後の四十年は、日本も私もそれほど烈(はげ)しく変貌(ぼう)したのである。そんな自分でも信じられないような戦後の私の生きざまを、ドラマの女主人公に託し、私自身を、そして、日本とその家族を通して、戦後の昭和史を描いてみたいというのが、このドラマを書かせていただく動機になった。大河ドラマでなくては果たせない願いだし、還暦を迎えた年齢になってやっと挑戦できる仕事でもある。私の思いを託す女主人公、高原未希を女医にしたのは、戦後の日本の高度成長を考えるとき、医学の進歩のめざましさが、その功罪のひとつの象徴になると思ったし、なによりも、物質文明の頂点をきわめることに狂奔している今、もう一度人間の原点である〝いのち〟と〝心〟の問題を考え直すのに、なによりもふさわしい世界だと思ったからである。でも、高原未希はどこにでもいる名もない女であり、妻であり、母でもある。そんな平凡な庶民と昭和史とのかかわりあいを人間ドラマとして描ききれたら、私は人生のお荷物をまたひとつおろせる。作家冥利(みょうり)である。【この項、文:橋田壽賀子氏(「NHK大河ドラマ・ストーリー いのち」(1986/01/10、藤根井和夫編集、日本放送出版協会刊)より引用)】」【放送日時補足】最終回のみ放送枠は日曜20:00~20:59。【役名(演技者)】長井の父(塩島昭彦)。【参考資料:書籍「NHK大河ドラマ・ストーリー いのち」(1986/01/10、藤根井和夫編集、日本放送出版協会刊)】
キー局 NHK 放送曜日 放送期間 1986/01/05~1986/12/14
放送時間 20:00-20:45 放送回数 50 回 連続/単発 連続
番組名 (大河ドラマ)
主な出演 三田 佳子役所 広司石野 真子伊武 雅刀菅井 きん内田 慎一二階堂千寿二階堂千尋)、渡辺  徹泉 ピン子大坂 志郎赤木 春恵岸本加世子柳生  博上村 香子鹿取 容子塩屋  俊丹波 哲郎宇津井 健伊武 雅刀山咲 千里藤堂 新二香山 浩介)、由起 艶子幸 つや子由紀 艶子)(19)、小林 綾子(28-)、野際 陽子磯部  勉加藤 明人清水  愛高木 美保牧口 昌代早川 純一加藤  忠名川 貞郎小池  榮小池  栄)、伊藤 正博おやま克博村上 幹夫高橋  豊伊藤  豪小川 敬子此島 愛子斎藤 三男斉藤 三男)、於  彌生加藤 正之鳥居みえ子大平江利子矢羽みどり篠山 葉子岩倉 高子里木佐甫良里木 三郎)、三木 弘子石田 太郎斉川 一夫長内美那子寺内よりえ寺内 順恵)、飯田 和平木村 有里枷場 幸代はさば幸代)、佐古 正人佐古 雅誉)、平田 京子溝口 貴子角間  進北川 智絵北川智恵子北川 知絵北川 智繪)、鵜沢 秀行鵜澤 秀行)、塩島 昭彦有本  操(6)(7)、麻茶 れい(28)、(語り:奈良岡朋子、)
主な脚本 橋田壽賀子橋田寿賀子
主な演出 伊豫田静弘(86/07/13)(86/10/26)、阿部 康彦富沢 正幸富澤 正幸)(86/10/05)、布施  実(86/10/12)、金沢 宏次金澤 宏次)(86/10/19)
原作 橋田壽賀子
局系列 NHK
制作会社 NHK
制作 渋谷 康生
音楽 坂田 晃一
主題歌 (演奏・NHK交響楽団)(指揮・小松 一彦
HP

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