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ドラマ 詳細データ冬の旅

第3回テレビ大賞大賞受賞作品。第8回放送批評家賞(ギャラクシー賞)第13回期間奨励賞受賞作品。授賞理由は、「陰翳深いストーリーをとりあげ、精緻な人間表現を的確な画面構成により、すぐれた作品に仕上げ、沈滞のテレビドラマに一つの方向を示されました」。「読売新聞に連載された同名の原作(立原正秋)は〝非行〟というラク印を押された少年の屈折した心理と、背徳の倫理を描き、退廃の現代を告発しようとした作品であった。宇野行介(あおい輝彦)にとって〝その日〟まで母(久我美子)がすべてであった。その母が義理の兄、修一郎(田村正和)に侮辱を受けた。許せることはできなかった。行助は修一郎を生涯劣等感の中でしか生きられない男にしてやろうと、自ら進んで少年院にはいった。こうして、冬の旅にも似た行助の苦悩に満ちた人生が始まる。原作のテレビ化は、各局でも検討されたが「内容が暗い」「少年の心理を映像で表現できない」などの理由で実現しなかった。挑戦したのは木下恵介監督である。原作に感動、TBSから独立した木下プロの第一作に選び、自ら製作、監督に当たる一方、松竹から田向正健を引き抜いて、脚本を担当させるほどの意欲を見せた。演出はTBSから出向した鈴木利正、井下靖央。スタッフの一人が「旧体制のTBSでは、テレビ化は不可能であった」と語るほどで、意欲は十分買える。「人間の歌」シリーズと銘打ったこの作品の導入部は、暗い情緒の中に、魂のきらめきのようなメロディーが流れるシューベルトの歌曲「冬の旅」である。カラーの色調を渋くしぼり、行助のセリフの底で動く少年の深層心理を、あかね色の人工光線で浮かび上がらせようとするなど、手間のかかるたんねんな仕上げをしている。しかし、心的状況を演技で表現するのを省略し、芦田伸介の語りで「決めつけ」てくる手法や、セピア色の統一色調が、もどかしさを感じさせるのも否めない。十キロやせたというあおい輝彦。「あまりいやな役なので本を投げ出した」という田村正和ともに好演。とくに、あおいは貴重な若手俳優になってきている。【この項、読売新聞1970/04/16付「試写室」より引用。署名:な】」「木下恵介・人間の歌シリーズ」第1作。あおい輝彦が主役デビュー。また松竹の監督であった田向正健の脚本家デビュー作にあたる。カラー放送。提供:久光製薬、東洋工業、シャープ、不二サッシ、キリンビール。【参考文献:書籍「日本タレント名鑑'81」(1980/12/30、VIPタイムズ社発行)[青山達三の項]】
キー局 TBS 放送曜日 放送期間 1970/04/16~1970/07/09
放送時間 22:00-22:56 放送回数 13 回 連続/単発 連続
番組名 木下恵介 人間の歌シリーズ(第1作目)
主な出演 あおい輝彦(1)、二谷 英明(1)、久我 美子(1)、田村 正和(1)、西村  晃(1)、松山 省二(1)、石井くに子(1)、浜村  純(1)、前田 昌明(1)、岩上 正宏(1)、朝倉 宏二(1)、山田 喜芳(1)、木浪 吾郎(1)、石津 康彦(1)、山崎 草介(1)、左奈田恒夫(1)、伊藤 弘一(1)、本田 竜彦(1)、豊田 紀雄(1)、中川 謙二(1)、大木 史朗(1)、本多 淳子(1)、橋口 忠夫(1)、大谷 直子青山 達三、(ナレーター:芦田 伸介(1)、)
主な脚本 田向 正健(1)
主なプロデューサ 飯島 敏宏
主な演出 鈴木 利正(1)、井下 靖央、(監修:木下 恵介木下 惠介))(演出補:山田 高道
原作 立原 正秋
局系列 JNN
制作会社 木下恵介プロダクション、TBS
制作 大橋  克、酒巻 武彦
企画 木下 恵介木下 惠介
音楽 木下 忠司、(効果:月岡  弘
撮影技術 (技術:松下  紳)(カメラ:柳原  成)(フィルム撮影:鈴木  清)(照明:山下 俊弘)(音声:五十嵐昭典)(調整:久保田 忍)(VTR:毛利 昌弘
美術 坂上 建司石本 富雄、(化粧:鳥羽瀬〆子)(タイトル:小坂 一也

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