終戦以来いつの間にかドブ川に浮かぶぼろ舟に住みついたクズ屋の老夫婦・吾一（榎本健一）とさと（飯田蝶子）は、この川を埋め立ててビルを建設しようという計画をよそに、愛着の残る舟を捨てようとせず、がんばりう続けていた。会社側と結んで地元のボスは吾一にいやがらせをはかるが、かえって吾一はかたくなになった。彼らの息子・玄太郎は戦争中サイパンの敵陣に逆上陸して戦死したが、彼らがいま住んでいる舟こそ、玄太郎がその時使った上陸用舟艇T378号なのである。【以上、読売新聞1961/03/18付より引用】【役名（演技者）】古賀吾一（榎本健一）、さと（飯田蝶子）、野田山（清水一郎）、浜田鉄夫（牧真史）、春日（三島謙）、磯山（金井修）、美代（明月美保）、マダム冬子（加代キミ子）、藤巻（高橋正夫）、ラーメン屋夫婦（里木三郎、中台京子）。