三代将軍家光御上洛の途上に、ここ掛川の城も一夜の宿に選ばれた。お供の旗本たちは藩士の屋敷に分宿することになり、馬まわり役、島倉利介（金子信雄）の家には大番組がしら六百石の岡田久馬（内田稔）が来ることになった。それをきいて、かねて利介が上役に気に入られているのをうらむ同役の平井武兵衛（成瀬昌彦）は嫉妬をあからさまにした。将軍家一行は旅立ち、帰途も再び泊まられるとのことで藩一同喜びあっているころ、妙なうわさが城内のあちこちでささやかれ始めた。根も葉もないうわさに、面目を傷つけられ、身を滅ぼしたある武士の物語。【以上、読売新聞1962/12/20付より引用】【役名（演技者）】島倉利介（金子信雄）、島倉多美（幸田弘子）、母・文江（夏川静枝）、岡田久馬（内田稔）、平井武兵衛（成瀬昌彦）、堀田（植村謙二郎）、金森与衛門（浅野進治郎）。