東京地検の朝日奈耀子（眞野あずさ）は、医師免許を持つ異色の女検事。検察事務官・大山聡（内藤剛志）らと共に、連日多くの事件を担当している。フリーの雑誌記者・中川進が刺殺された事件で、被疑者・阿久津里子（床嶋佳子）が送致されてくる。死体が見つかった直後、近くの路上でナイフを持ち、手から血を流してぼう然と歩く里子が発見されたのだ。里子は警察の取り調べに対し、動機は黙秘したものの、「私が殺しました」と自供していた。耀子の取り調べにも、里子はすぐに殺害を認めた。動機については、別れ話のもつれだと説明。中川とは男女の関係にあったが、栃木・那須に住む里子と東京で暮らす中川との間は次第にうまくいかなくなり、中川に復縁を迫ったところ拒否され、カッとなって刺したと話す。だが、「刺したのは何度ですか？」という耀子の問いに、里子は「一度」と答えた後、耀子たちの反応を見て、慌てて「覚えていない」と言い繕う。その様子に納得できないものを感じた耀子は、里子の処分を保留する。中川は背中と腹の２箇所を刺されていたからだ。しかも、殺害現場である公園の中央から出口まで続いていた被疑者のものらしき血痕が、公園を出たとたん突然消え、里子が身柄を確保された地点の少し前から再び見つかっている状況も不可解だった。それについても里子は「わからない」を繰り返し、「早く起訴して」と、耀子に苛立ちをぶつける。里子は、夫と６年前に死別しており、２人の間にはひとり娘がいた。だが里子によると、夫が病死した直後に娘と大ゲンカ。娘は家を飛び出し、以来、音信不通だという。また、大山の調べで、里子は26年前に男と駆け落ちしようとした過去があるとわかる。ところが交通事故に遭遇して待ち合わせに行けず、その恋は成就しなかったらしい。一方、殺された中川の身辺を探ったところ、有名大学講師のセクハラを告発した半年前の記事でトラブルになっていた事実が浮かび上がる。中川がセクハラ講師と書き立てた杉本哲雄は次期准教授候補だったが、記事の影響で失職し、飛び降り自殺していた。杉本の妻・友子（大村彩子）は身重の体で中川に抗議したほか、警察にも「夫は自殺ではない」と訴えに来ていたという。友子は、中川が殺された夜から姿を消していた。さらに、友子が勤める定食屋の常連客・江口洋司（天宮良）も、同じ日から無断で仕事を休んでいた。耀子が江口の妻・美枝子(野村真美）を訪ねたところ、彼女はなぜか顔を強張らせる。友子や江口、そして半年前の記事が、事件にどう関わっているのか!?謎が深まる中、今度は中川と組んでいた契約記者・野々村伸一が殺された。【以上、テレビ朝日広報資料より引用】この日の「土曜ワイド劇場」は通常放送時間（土曜21:00～22:51）より１時間繰り上げての放送だった。【役名（演技者）】朝日奈耀子（眞野あずさ）、大山聡（内藤剛志）、倉持哲也（北村総一朗）、宮崎礼子（大島さと子）、阿久津里子（床嶋佳子）、江口美枝子（野村真美）、江口洋司（天宮良）、米山辰也（中丸新将）、立川正人（松田悟志）、北野留美（木下あゆ美）。【データ協力：たかし】