信じて待ったあの２時間に一体何があったのか？一条は、仮釈放を前にした模範囚・浅井を引率して社会見学のため「塀の外」に出るが、浅井は「２時間だけ下さい」と言って姿を消す。一条は信じて待った。浅井は約束通り戻ってくる。ところが、その２時間のあいだに殺人事件が起こっていた。浅井の犯行なのか？空白の２時間を探る一条…。８年前、浅井祐次（中村梅雀）は、会社を立て直す資金欲しさにパチンコ店に侵入し、オーナーを殺害。逮捕され懲役12年の判決が下された。刑に服した浅井は、模範囚として努めたのが認められ、仮釈放が決まる。仮釈放前の教育として社会見学に出ることになった。社会見学とは、受刑者に「塀の外」を体験させてスムーズな社会復帰を促すためのカリキュラムだ。浅井の引率を担当する刑務官に一条信一（柴田恭兵）がつくことになった。社会見学の日がきた。ゆっくりと街を歩く一条と浅井。浅井は久しぶりの外の世界に緊張しているようだ。そして、偶然、浅井は昔の知人に出会った。その知人から浅井の娘が病死したと知らされた浅井はショックを受ける。離婚した妻からの手紙には「娘は心臓病の手術に成功し今は元気に中学に通っている」と書いてあったのだ。動揺した浅井は「２時間だけ下さい」と言って一条の前から姿を消す。一条は浅井を追うが、見失ってしまう。浅井を信じて待つしかない…。約束の時間ギリギリになって浅井はケガをして戻って来た。一条は浅井に２時間の単独行動のことはなかったことにしようと約束して刑務所に帰る。翌日、刑事が浅井を訪ねて来た。浅井が８年前に殺害したパチンコ店オーナーの妻・美枝（筒井真理子）が殺されたという。その犯行時刻は浅井の消えた２時間の間だ。刑事から取り調べを受けた一条と浅井は、その時刻は２人一緒にいたと答える。刑事が帰った後、一条は浅井を問い詰める。浅井は犯行を否認するが、２時間の単独行動の間何をしていたかは一切話そうとしない。空白の２時間の疑惑を解き明かすべく、一条は休暇を取って独自に調査を始める。一条は、浅井の元妻・亜希子（藤吉久美子）を訪ねる。亜希子は浅井を憎んでいた。８年前の事件以来一度も会っていないし、手紙も書いていないという。亜希子は、浅井の友人・栗田（小木茂光）の会社で働いていた。調べると、栗田は殺された美枝と８年前から付き合っていたことが分かる。浅井が８年前に犯したパチンコ店のオーナー殺しとの関連は…？そんな中、美枝殺しの重要参考人として栗田が警察に連行されたと聞いて、一条はひと安心する。しかし、浅井は本当に無実と信じていいのか…浅井の仮釈放の日がやって来た。一条は浅井に「二度と戻ってくるなよ」と言うが、浅井は目を逸らし、一礼して去って行った。翌日、浅井は栗田の家を訪ねた。仕事で来ていた亜希子と再会する。浅井は亜希子に手紙を見せて“娘は元気だ”とウソを書いたことを問いただすが、亜希子は自分は書いていないと否定する。そこに栗田が現れた。浅井はこれまでこらえてきたものが噴出したかのように、栗田に掴みかかっていく。が、逆に突き飛ばされてしまう。それを見ていた栗田の家政婦・早苗（佐々木すみ江）は、手から血を流している浅井にそっとハンカチを渡す。去っていく浅井の後ろ姿を、早苗は、どんな思いでか、いつまでも見送っていた。数日後、栗田が自宅で胸を刺されて死んでいるのが発見される。犯人は浅井なのか？浅井の消えた２時間の行動は？浅井に届いた娘の手術成功の嘘の手紙は誰が何のために出したのか？犯人の動機は？やがて、浅井が８年前にパチンコ店のオーナーを殺害した本当の理由が明らかになり、意外な新事実が浮かび上がる。【以上、TBS広報資料より引用】撮影協力：水海道フィルムコミッション、日の出ヶ丘病院、東京濾器、パーラーSUN、関東鉄道、AKANE。車輌：アスカロケリース。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】《4:3》