糸川英夫と「未来捜査局」の覆面ライター達が書いた近未来小説「見えない洪水　ケースＤ」をテレビドラマ化。【以上、書籍「テレビマンユニオン史 1970-2005」（2005/02/25、（株）テレビマンユニオン発行）より引用】「糸川英夫の原作は12月に出版されたばかり。それを早くも映像化した民放の〝反射神経〟の鋭さに感心する。1999年に、国連筑波大学で佐満人（広岡瞬）、カレン（岡田奈々）らは「二十世紀の構造分析」というテーマにとり組んでいる。1980年、つまり「現在」までに起きた事実が、その後の世界にどう影響したかを明らかにしようというのだ。東京サミットやOPEC総会など国際的なできごとの実写フィルムが続々と登場する。これは〝ドラマであってドラマでない〟。現在の世界的なテーマ、アフガン問題、石油危機、食糧難などを私たちがどう考えたらいいか、を示す〝ドキュメント〟だ。だから全編を見るにはかなりの努力がいる。「ケースＤ」というのは佐満人らの結論で、99年には、80年に予測された最も悪いケースが現実のものになるという意味だ。最後にレポーターが「情報への対応を誤ると世界が実際にこうなるかもしれない」と話す。テレビの新しい試みとしては評価できるが、番組そのものが〝情報〟に流されたきらいがなくはない。ベネチア、ロンドンなどロケ部分をふんだんに織り込んで画面は美しい。【この項、毎日新聞1980/02/28付「視聴室」より引用（署名：Ｄ）】」【参考文献：書籍「テレビマンユニオン史 1970-2005」（2005/02/25、（株）テレビマンユニオン発行）、書籍「日本タレント名鑑'81」（1980/12/30、VIPタイムズ社発行）［安保絵美・天本英世の項］】