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「早春スケッチブック」について(文・古崎康成、2000/01/09)

 誰でも一度ぐらいは映画とか小説を見て大きな影響を受けることがあるでしょうが、私にとっては、それがテレビドラマ『早春スケッチブック』でした。

 私がこの山田太一脚本の『早春スケッチブック』にはじめて出会ったのは1984年。ちょうど高校三年生のときでした。もともとテレビっ子だった私は、夕方、学校から帰るなり、いつものようにチャンネルをひねり、このドラマに出会いました。この再放送を第2回からみはじめ、いつの間にか画面に吸い寄せられていました。山崎努演じる竜彦の全身を振り絞るような芝居に圧倒されるとともに、その生き方に大きなインパクトを受けました。

 ちょうど劇中の主人公のひとり、和彦(鶴見辰吾)が高校三年生であったこともあり、和彦が、竜彦(山崎努)から受けた衝撃がまるで自分のことのように思えたのを覚えています。
 このドラマを見てから、それまで見ていた身の回りの世界が全く違った存在のように見えたのを覚えています。

 このドラマに出会って、私はテレビドラマを見まくるようになりました。その影響でもないでしょうがその年の大学受験はすべて不合格。劇中の和彦と似た境遇を味わってしまいました。
 翌年、私はそれまで住んでいた地方都市を抜け出し、はじめて両親と離れて東京の大学に入学しました。はっきり記憶していないのですが、この選択もこのドラマに出会ったことがきっかけだったのかも知れません。(もう一本、鎌田敏夫氏の『俺たちの旅』を見た影響もあります)
 この『早春スケッチブック』の脚本家・山田太一氏が卒業した大学の学部に私が入学したことも偶然ではなくその時の私の意思があったように思います。

 正直言ってこのドラマに出会うことで、テレビドラマの存在を再認識しました。このドラマを視て以後、私はそれまで日本映画を中心に見ていた視聴態度を改め、テレビドラマの魅力にとりつかれてドラマ中心に見るようになったのです。『テレビドラマデータベース』を運営している原点といえます。

 このドラマに出会うまで、テレビドラマをそれほど重視していなかったこともあり、このドラマ自体も録画しなかったため、その年に脚本を入手し、以後、何度も何度も再読しましていました。この『テレビドラマデータベース』を運営するようになった縁から再びこの『早春スケッチブック』のドラマを見直すことができました。(第1話はこれではじめてみることが出来ました)今、見てもやはり素晴らしい
 残念ながらこのドラマ、本放送時の視聴率は低迷し、それ故か再放送の機会も少ないため、未見の方も少なくないと存じますが、是非とも機会があればご覧いただきたいドラマです。

【出典】

当サイトの『ドラマセレクション・早春スケッチブック』コーナーのトップに掲載されていたページ作者の紹介文です。2004/02にCS放送での再放送が決まったことから2004/01/16付でトップページでの掲載をとりやめ、過去発言として本欄に移行させたものです。


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