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深作欣二監督とチェルノブイリ |
すでに時機を逸しつつある話題ですが、どうも気になって仕方ありませんのでご容赦を。
先日、深作欣二監督自身が前立腺がんを告白されました。
それでどうも気になっているのが数年前に放送された名古屋テレビ開局35周年記念番組のドキュメンタリー「20世紀末黙示録 〜もの食う人々〜」(辺見庸原作)です。
番組は、現在でも放射能汚染の危険が指摘されているチェルノブイリ原発周辺の高汚染地域を石橋蓮司がルポするという内容。石橋蓮司が政府から放射能汚染の危険を指摘され退去命令が出ている場所に居座って生活している農家を訪問します。農家の主人はそこで農作物を栽培して自給自足で生活しています。石橋蓮司はその農家で食事をごちそうしてもらえることになり、そこで収穫された作物を食べるよう勧められてしまう。「困ったなぁ」という石橋の逡巡。しかし意を決してその作物を食べてしまいます。この場面、ちょっと衝撃的でした。
石橋蓮司が後年、ガンに冒されたら、その原因はこの番組のこの行為だぞと記憶にとどめましたが、今回、深作欣二氏の報道を聞き、この番組の監督が深作欣二だったような気がしてきたのです。だとしたら、深作欣二氏のがんはこの番組の制作が原因だったのでは???
で、ネット検索してみると
http://www.rx.sakura.ne.jp/~dirty/asita/1999no10.html
の「10/2」のところに、このドキュメンタリー番組に言及している箇所が見つかりました。どうやらこの番組の監督はやはり深作欣二だったようです。石橋蓮司も懇意にしている深作欣二の手前、食べざるを得なかったんだろうなぁという気がしましたが、だとしたらやはり深作欣二のがんの原因はこの番組制作だったのでしょうか。それともすでにガンに冒された後の番組だったのか。そのあたり、まだこの番組の制作年が分かっていないので分かりませんが、だとしたら石橋蓮司は今ごろ、ゾッとしているような気がします。
もう一つ、謎なのは、今回の深作監督のがん告白の報道でこの番組がまったく言及されていない点。単にマスコミの「不勉強」のなせるワザなのか?
(初出:2002/09/28 09:07、web「テレビドラマデータベース」雑談掲示板)
(いまのところ健康な練馬大根役者) チェルノブイリの翌年2月にスペインを旅したのですが、ガイガーカウンターを携行して、レストランで食べるたびに計測していたという日本人女性に会ったのを思い出しました。私はなあんにも気にしないで何でも食ってましたが、やばかったかなー。トピで連想するのが広瀬隆の『ジョン・ウェインはなぜ死んだか?』(テニヲハ間違ってるかも)ですけど、あれは科学的な追跡検証はされているのかな。最近の事故隠しを見ていると不安が動燃、いや再燃しますね。 2002/09/28 09:42:12
(浜磯) ちょっとだけマジレスします。この件でマジレスするのは1回だけにさせて下さい。チェルノブイリ事故後の健康被害に関してですが、事故10年後に開催された国際会議で放射線による小児甲状腺ガンが多発しているものの、「白血病やその他の疾病についてはまだ確認できていない」という報告が出ています。よって、因果関係についてはまだ検証を待たねばならないことと、もし発生するとしたら「甲状腺ガン」であり、「前立腺ガン」ではないということです。また、チェルノブイリの死者を「3000人〜5000人」と記憶している方が多いですが、実際には「31人」です。もちろん、尊い命が奪われたことに変わりはないのですが、第一報を伝えた日本のマスコミが訂正記事を出さず、加えて社会主義政権だったので満足な情報が得られなかったという背景がありました。これ以上書くと波紋を呼んでは困りますのでこの位にしておきますが、この手の情報を掲示板に書き込むときには注意が必要です。私が偉そうにいう立場でないのは承知しておりますが…(ページ作者さんゴメンナサイ)。以上です。ということで次回からはドラマの話に戻ります(笑)。 2002/09/28 10:05:43
(カミコロ) このドキュメンタリーの放送は、97年2月23日です。ビデオを見直してみます。 2002/09/28 10:36:01
(私ももうすぐ健康診断、アール・ケイ) ページ作者さま御自ら、難しいハナシを振ってこられましたねえ…。放射能汚染の恐ろしさは云うまでもありませんが、自然界にも放射線は存在するということ(放射線と放射能は違います)、少量汚染物質を口にしたぐらいで即、必ずしも病気(甲状腺ガン、白血病など)に罹るわけではないということはちゃんと踏まえておかねばならないでしょう。そもそも癌の原因というのはいまだはっきりしていないのです。まあ、素人目に見て、俳優や監督が重病に罹られる場合って生活の不規則さ、煙草や飲酒による影響のほうが大きいように思うのですが。 2002/09/28 16:16:37
(キクチサヨコA) おお、原発ネタじゃ。奇しくも昨日はJCO臨界事故3周年。こりゃ、私も一言書いとかんと。えーとですね、事故により放出された放射性ヨウ素は、短寿命のヨウ素の場合、呼吸により、脳、食道、胃、そして全身へ内部被曝していきますが、一般に、食事の場合は、甲状腺への影響だけを考慮すべきといわれています。だから、深作さんのガンとチェルノブイリとの因果関係を解明するのは難しいかもしれません。 2002/10/01 14:23:46
(キクチサヨコA) で、もう一つ。波紋を呼ばないように註釈をしときたいと思います。チェルノブイリでの事故直後の死者数は確かに31人で、これを日本のマスコミが誤まって報道したことは確かです。ただ、200人を超える人が急性放射性障害にかかり、現在までの事故による累計死者数は20万人といわれています。もちろんこれらすべてが「チェルノブイリ事故によるもの」という証明は明確になされていません。ですが実は、それこそが問題なのです。日本政府と科技庁は、3年前のJCO事故の責任を現場労働者に押しつけたばかりか、健康被害に関しては、その実態を隠し続け、事故を小さく見せようとしているのは明らかです。このままでは、将来、この事故については、「死者2名」とだけ語られるでしょう。今年、東海村では「臨界事故被害者の会」が、周辺地域住民にもたらした健康被害などの加害責任を問うためにJCOと親会社に対し、訴訟を起こしました。ところが、その原告はわずかに2名。なぜか。健康被害を訴え、名前を出せば、自ら被曝者と公表することになるからです。名前を出すことで、自分たちの子どもが将来差別されることを住民の人たちは恐れているのです。県が事故後に行っている健康診断にさえ行かない娘さんたちがいるとも聞きました。……反論するわけではありませんが、これだけは書いとかんと自分が許せないので、ご勘弁を。 2002/10/01 14:24:17
(キクチサヨコA) ところで、マスコミは、最近の電力会社の損傷隠し・事故隠しについて大きく扱わない姿勢をとっているように見えます。これらの隠ぺいは、ほかの国なら即時停止につながるところですが、日本の原子力産業は、こういう危険性がともなう事実が発覚すると、その都度「維持基準」を恣意的に変更するから、いつまでたっても止めないんですよね。つまり、どんなことが起こっても「安全」と言い続けることができるわけです。それをマスコミが納得しているからまったくもって不思議です。その不思議は、実はドラマの世界も同様で、なぜか、これだけ社会派ネタにしやすい原発(またはその労働者、または付近住民)を扱ったドラマ作品が存在しないんですよね。映画でも、私の思いつくかぎり、劇映画では(ドキュメンタリーはいくつかあるのはご存じの通り。最近では、それこそチェルノブイリの原発事故後、現地で暮らし続ける人々を描いた『ナージャの村』とか)、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』くらいでしょうか。ただ、何年か前の日本シナリオ大賞の佳作受賞作も「原発村」の騒動を描いてましたし、すでに撮影が終わったといわれる山川元監督『東京原発』など、「やろう」としている人たちはたくさんいるようです。 2002/10/01 14:24:37
(補足) はじめまして。いつもみなさんのドラマ評論楽しみに拝見させていただいてます。原発の実体ですが、ここなんかが参考になります。http://genpatsu_shinsai.tripod.co.jp/hirai/ 2002/10/01 17:08:42
(ページ作者) 裕木奈江主演『ウーマンドリーム』は人気者になったヒロインが後半、原発CMに出演を断ったがために仕事を干されてしまうという小林信彦原作(極東セレナーデ)のエピソードをショボイねたに改変してました。原発ネタはドラマにタブーなのでしょうかね。昔、火曜サスペンス劇場で『原子炉の蟹』がドラマ化されたような。 2002/10/01 20:51:40
(GM、祭りの準備をするの巻) だーはらーとキクチサヨ…ヤマサヨ主演の「原子力戦争」も見たいの。 2002/10/01 21:14:54
(カミコロ) 「極東セレナーデ」は、当初映画化される予定だったのだけど、流れてしまったのですよね。原発エピソードが引っかかった? 2002/10/01 23:53:12
(アール・ケイ)
やっぱりこのネタは鬼門でしたな。キクサヨくんも書き出すと止まんなくなるし(笑)。『極東セレナーデ』のドラマ化、映画化の顛末については小林さんご自身がどこかに書いていましたっけ。
原発に限らず公害(米軍基地問題などもこのカテゴリでしょうか)を取り上げたドラマ(映画ではなく)というのは少ないですが、これは政府やスポンサーを気にして、だけではなく、もっと根本的な問題があると思っています。つまり、地元批判になっちゃいがちなんですよね。一方を批判して悪者にして終わり。よそ者だとそれでもいいわけでしょうが、地元では賛成派も反対派も引き続き同じ村、町に住み続けるわけですから、それでは何の解決にもならない。
水俣病の50年を色んな角度からドラマに出来ないかなあなどといまふと思いました。被害者も加害者も大半は同じ地元のひとだったし、公害を起こした企業は(誠に皮肉なことながら)被害者救済・補償のため倒産することが許されず政府に補助を受けながら生きながらえ再び地元からの信頼をかなり回復してきている。水俣湾の魚も正常に戻りつつある。…ここに至るまでの実に長いプロセスをこそ、長編ドラマとして見てみたいと思います(一歩間違えたら「プロジェクトX」もどきですが(笑))。 2002/10/02 01:10:43
(T.IIDA) 諸外国の原発では安全上問題ない部品については経年劣化する前提での保安基準になっているが、日本の保安院が定めた基準では何年経っても新品と同じ状態が求められている。この無茶苦茶な基準にも問題あり。 2002/10/02 18:45:43
(ページ作者) 誰でも恐らく一つはどうしても譲れない事柄ってあるはずで、いつも他愛ない話をしている一方、そういう方がいつもとうって代わって「譲れない信念」を真顔で語る機会がたまにあっていいと思います。その意味で真面目に自分の信念を語る方がいらっしゃったのはよかったと思います。そういうテーマもたまにあってしかるべきだと思います。 2002/10/02 22:01:09
(右京大作) はなはだ乱暴な意見だとは承知していますが、昨今の原子力行政の不祥事を見るにつけつくづく思うのです。原子力発電所の周りに所長以下の家族を住まわせろ!、と。だって、安全なんでしょ? 2002/10/02 22:04:55
(浜磯) 住んでますよ…って一度だけレスのはずだったのに(笑)。 2002/10/02 22:16:22
(しとろえん) ♪原子力発電所が建っていた(秋元夫人まみまみ&清志郎)「COVER」も「チェルノブイリ」も曰く付きで所属レーベル以外から発売になった圧もあったのも昔話。どうすりゃいいのさsummer time blues♪ 2002/10/02 22:26:53
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