テレビドラマデータベース
TV DRAMA DATABASE
快傑ドラマ小僧 |
クロネコヤマトのブックサービス BOOK CLUB 本屋さん 紀伊國屋書店 |
快傑ドラマ小僧 (麻生和也・著/1200円/二見書房・刊/ISDN4-576-00692-4) 2000年11月02日発売 |
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TVドラマはこう見ると面白い! |
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★(ページ作者寸評) いきなり些末な部分だけど、77本がセレクトされて著者の「批評」が記されているのだが、これが連載当時のものではなく、リライトされているという点が残念。本文は連載当時のままの文を載せ補筆の形で現在の著者の認識をコメント的に補ってほしかった。修正は単純な誤り等、最小限の範囲にとどめてほしかった。現在の形だと当時の評価をこっそり変えている作品があるんじゃないかという疑いを生む。 オビには「日本初のドラマ批評本」と書かれているが果たしてそうなのか?まずこれまでにもドラマ批評本はあったような気がする。そしてこの本が果たして「批評本」なのかどうなのかというところが気になる。ドラマについて書かれた本であることが確かなのだけど、それが批評かどうかは判断の分かれるところだろう。少なくとも私が認識している「批評」の概念ではなさそうな気がする。私なりに理解している「批評」は、まずその前提として、対象を論理的に語るものであること。簡単にいうと、個人的に嫌いなドラマであっても良いドラマであれば結論としては誉めるということ。それが批評であり批評家の行う行為だと思っている。そこが批評と感想の違いではないか。 (やや脱線するけど、批評家の巧拙は、論理的な批評の中にいかに自分自身の嗜好をにじませて血の通った文章にするかだと思う。例えば、私が好意を持っている批評に双葉十三郎氏の戦後日本映画批評があるが、その点、実にバランスがうまくとれていた。個人の嗜好だけで出来不出来を語らないが、語れないつらさが行間ににじみ出て、「ああ、この映画は酷評しているけど双葉氏は好きなんだなぁ」というのが分かってきて、その映画を見たくなったものだ。) 要するにこの本は、著者が、自分の好きなドラマを誉めて、嫌いなドラマを批判している本ということになる。 以上、やや辛口だが、ここに記したプロセスを見てもおわかりのように、この本を読むと読んだ者のドラマのスタンスをイヤでも問われているような思いに捉えられる。そこがスバラシイ。 ★作者・麻生和也(あそう・かずや)プロフィール ◇ドラマ愛好家。 |
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