投稿者 : 美々庵
子供を抱えた独り身の女性が社会の中でどれだけ弱者になってしまうのか、自活し、社会に向けて発言し、DVしてしまう男性と対峙し、強くなっていくこと=男性中心の社会に立ち向かうことになる主人公が丁寧に描かれ、自然に応援したくなった。DVする人って、相手を自分の所有物と思っているのかなあ。だから自分に絶対服従して当然というほどに自分を正当化でき、相手に背かれるというありえない事態に遭遇すると、混乱し激高するのだろうか。昔の父親が子供に対してそうだったように。ここでなんとなく「こんにちは、母さん」を思い出し、検索してみたら、原作は「こんにちは、母さん」と同じ永井愛の舞台劇だったんですね。DVしてしまう自分から脱却しようともがく山口馬木也の役は画期的だったが、彼や沢口靖子の夫の内面をもっと掘り下げてほしい気がした。妻子に暴力ふるっても、母には優しい息子だったって!なんたる皮肉。シングルマザーが生きやすい世の中は、男性にとってもよい社会のはずなのだ、という高畑淳子のセリフにもハッとさせられた。色々なことを考えさせてくれるドラマだった。(1位)
投稿者 : 練馬
シングルマザーたちが架空の港町に肩を寄せ合って生きる物語。その町はユートピアの様相を呈していました。そうした一種のファンタジーのようなドラマでありながら、一方では社会派作品でもあった。彼女たちの苦しい境遇を追うことで、新自由主義的弱肉強食の価値観が猖獗を究めたゼロ年代への批評にもなっていた。現代史をこんなにささやかなかたちで効果的に編むことができるとは。(3位)
投稿者 : gadget9007
第1話の冒頭シーン、視聴者を引っ張り込む演出が見事。以降、毎回キャラクター描写の厚さと、引きの強いドラマ作劇で楽しめた。母子家庭の現状や法的な制度問題など、社会的な重いテーマを時に軽快に、時に真正面からじっくり描いていて、NHKならではのドラマ。