投稿者 : 美々庵
力作。一筋縄ではいかない感情の機微や、いろんな立場の人間の思惑が交錯する様をよくさばいていた。モッくんだったら「情を通じ」ちゃってもしかたないかと思ったり。大森南朋でナベツネ氏をちょっと見直したり。清濁合わせ呑む感じがセクシー。沖縄のシーンにも熱意が感じられた。自分でも事件について調べてみたり、勉強になった。(3位)
投稿者 : 又左衛門
いわゆる、沖縄返還にまつわる日米政府の密約問題を告発した、毎日新聞N記者と情報源の外務省事務官のスキャンダル事件。国民を欺き、問題の本質を「男女の不適切な関係」にすりかえた、恥ずべき隠蔽工作を問題提起した山崎豊子原作をドラマ化。このドラマを観て、あらためて「国益とは何か?」を考える機会になった。「国民の知る権利」が言われるようになって久しいが、当時のマスコミの無力、政府の横暴を痛感した。また、「三権分立」のはずの司法が、果たして「公正な裁判」を行ったのか疑問である。常に時の政府に有利な判決しか見た覚えがないから。TBSあたりが、ドラマ+ドキュメンタリーで再度やってくれると面白いのだが....(1位)
投稿者 : うーやん★
西山事件の時、ジジイは大学闘争に疲れた大学生だった。経緯もマスコミの取り上げ方も奇異な印象が残った。このドラマは勿論フィクションだが、多くの山崎豊子原作と同様、真実に近いものと理解した。当時のマスコミや国会や政府の傲慢さと無節操さを再確認した。それだけでも意味があった。(4位)
投稿者 : デュアン
個人が国家権力によって蔑ろにされるドラマとしては、リアルに迫ってくるものがあったけれど、それ以外の要素、ジャーナリズムと国家権力の闘い、とか、家族の崩壊、とか、女の復讐、とかいったあたりは、図式的でやや凡庸という印象。特にジャーナリズムの正義があまりに安易に前提化されているのではないかと思った。確かに70年代にはまだジャーナリズムの正義はそれなりのリアリティをもっていたのかもしれないが、「3.11」以降の日本において、それを無防備に振りかざすのはただ嘘くさいだけだ。まあ、ドラマもまたテレビというマスメディアに属するわけだから、同じ穴のむじなということか。ただ、最終回だけは、それまで過去形だった問題が一気に現在形になったリアリティに圧倒された。沖縄問題は、戦後日本の大きな負債であり、その本質は防衛問題といっていいだろう。アメリカに依存しきった防衛体制をいつまで続けるのか。とりあえずその問題提起としては、充分意義のある作品だったと思う。(4位)
投稿者 : Audzu
別段素晴らしいとは思わなかったが、歴史の1ページを勉強したように思います。何か言葉にならない「歯痒さ」を感じたことは確か。党を超えて政界の要職が料亭で密談するのに、新聞記者が根回ししていたことに驚かされました。映画「黒い潮」(日活 1954)のような「スクープ」を追いかけるのが記者魂だと思っていましたが、今の時代、弓成や山部のような新聞記者はまだ存在するのだろうか。密約書が本当はあったということまで描きたかったのだろうというスタッフの気概は何となく画面から感じました。作品の展開については対したことはなかったです。それより沖縄での生活をもう少しあっさり描ければと思いました。そこは脚本家の力だった気がします。やはり真木よう子さんの男らしい演技にやられました。(1位)