★第一位 『池袋ウェストゲートパーク』
まるで熱いものを持って池袋の街をめちゃくちゃに走り回ってるような第一話が好きでした。ネタを無秩序に並べているだけに見えても、そこには「仮想・池袋」の地図がしっかり描かれていたと思います。同時代であることをクドカン脚本が伝え、ライヴ感覚を堤監督が伝える。そこに微妙に振りかけられた70年代ドラマのエッセンスが効いていました。★第二位 『深く潜れ』
一見ほころびのない日常を過ごしているようにみえるヒロインの、底知れぬ絶望感を不意打ちのように垣間見せられて、事態もよくのみこめないままついていってしまいました。登場人物たちはてんでに自分勝手だし、「仲間」とも名伏しがたいあえかなつながり。作り手は彼らを肯定も否定もせず、それぞれの「のっぴきならない」思いや渇望感だけを火のように伝えて
くる。魅せられたというより目を逸らせなかったという印象を残したのは、この作品だけでした。
★第三位 『やまとなでしこ』
「悪女もの」というジャンルを自分の作品で確立させたいと語っていた中園ミホさんですが、どうやらこの作品が決定打となったようです。「無邪気であること、真っ直ぐなこと」が多くの女性たちの共感を呼ぶゆえんなのかもしれません。この作品と「ラブ・コンプレックス」を見て、フジはバラエティっぽい作品作りに回帰しつつあるのかな…とも感じました。
★第四位 『ビューテイフルライフ』
昨年のTBS作品はロケ映像の美しさと、「地の利」を生かした脚本づくりに強みを発揮した作品が多かったように思います。トレンド感覚と庶民感覚の間を往復させてゆく中で、死にゆくものが形を変えて生き続けて行くという普遍的な思いを伝えたことを評価します。
★第五位 『喪服のランデヴー』
愛する者を奪われた男が犯人たちに復讐してゆくストーリーを逆手にとり、復讐される側の生きざまや哀しみを描こうとする試みに惹かれました。「闘い」というキーワードを手がかりにそれぞれの内面に踏み込んでゆくという手法そのものにサスペンスを感じた、野沢脚本久々のヒット作。
★第六位 『夜叉』
この作品を手掛けた高橋Pは少女マンガがお好きだそうですが、単なる趣味の延長ではなく、しっかり「現代の病」とリンクする原作をセレクトしてくるように思います。選ばれた種族は滅びゆく種族だった…悲壮な結末でしたが、死を間際にしてようやく互いを救おうとする骨肉への思いに、見ている私も救われました。
★第七位 『天気予報の恋人』
恋をして、報われた者にも報われない者にも等しく雨は降る…。岡田さんはごく
ごく小さな関係性を緻密に描いてゆく作家ですが、気がつけば「隣人愛」を優しく説かれているような気持ちにさせられます。恋愛ドラマだって見る者の生き方、考え方を揺さぶることができるんだと。
★第八位 『六番目の小夜子』
自分は選ばれた者でありたいと願う思春期の病のような気持ちが、「学校の伝説」というモチーフとサスペンス・オカルトタッチの作劇で描かれていました。それでいて子供に媚びない作り手の対象への距離感がなんとも気持ちよかった作品です。
★第九位 『リミット』
「臓器売買」の戦慄を、視聴者を嫌悪させるほどに生々しく描いた鶴橋監督の第一話の演出を評価します。「社会派」を標榜するなら、見る者をある意味「傷つける」ことを恐れないで欲しい。物語は終盤、原作既読者を裏切るためにヒロインと犯人たちの対立構造を歪めてしまったのが痛い。田中美佐子さんが、まさしく「無駄死に」になってしまったのが惜しまれます。
★第十位 月下の棋士
MMJ制作作品のB級テイストがいちばん堪能できたのがこの作品。名脇役たちのコスプレと、彼らの壮絶な生きざまをあざ笑うかのような「揺れない主人公」。少年マンガのキモをしっかり押さえていいるところが好きでした。 |